執筆活動
実はいま、本を書いている。といってもそんなたいそうなものではなく、クライアント企業から勉強会をお願いされ、そのテキストを書いているのだ。
勉強会のテキストとはいえ、まさか店主が本を書くとは夢にも思わなかったのだが、書きはじめるとこれが意外と楽しい。熱中してくると一日中書いている日もあったくらいだ。
最初、テキストとして伝えたいことは10数ページだけであったが、せっかくなので一緒に伝えておいた方がいいことを書きはじめたら、止まらなくなってきたのである。結果、気がついてみるとA5版で130ページ以上の分量になってしまったのだ。
テーマはズバリ「仕事のすすめ方」。店主は以前から事務職の仕事の教科書がないか、探していたのだが、これがないのである。工場の生産現場であれば、QC活動があり、研究開発は学校でみっちり研究や実験の方法を学んでくる。
一方で事務職というのは、職種の幅が広く、各々高い専門性が求められることもあり、企業において一律での教育訓練になじまないことが多かった。そこで、従来からいわゆるホワイトカラー職として大卒者を配置し、各自に裁量を与え、やり方や熟練方法は職場任せでしのいできたのだ。
なので、人材が豊富な大企業はいいが、それ以外の会社は事務職の領域がどうしても弱くなる。店主はこれがわが国の労働生産性がいつまで経っても低いままに甘んじている原因のひとつではないかと考えている。
スタートから3週間、ようやくまとまったので、親しい友人、知人数人に読んでもらって感想やアドバイスをいただいた。これがまたすばらしいのである。あまりにも感動したので、少しご紹介したい。
- 目次はデザインとしてすっきり見やすい一方、あとから字引のような使い方をする方には全5ページにわたると調べにくいかなと思いました
- ありたき姿というビックワードから想起する内容と記載にやや違和感あり。「ありたき姿」を補足するか、6章のタイトルを変えてもいいと思います。(この章は少し先に目を向け、全体俯瞰して考えるということかと)
- 経営理念説明には、ウエイやフィロソフィーなどのほかに最近のガバナンス動向からパーパスも入れるとよいかと
- 2022年に東証改編、1部、2部がなくなるため、出版時期によっては書き方を変えても
- 「おしりを決める」とありますが、「おしり」が一般的表現か不明。おしり(終わり)を決めるであれば、誤解なしか
- 少し平仮名が多く読みずらいかも
- サブタイトルの「事務屋」は一般的とはいえず、違和感を持つかも。「事務職」の方がしっくりくるかも
- 後半部分の章立てはとても大切な姿勢、考え方。前半は細かいテクニック論なので、章とは別に、テクニック編、スタンス編など章を括るのもいいかと
店主自身は、新任担当者を思い浮かべ、できるだけ平易な表現にしようと気をつけながら書いたのだが、独特の用語が入っていたり、考えてもいなかった使い方の想定からのアドバイスや最近はやりの言い回しを教えられたりと、ホントに勉強になった。
やはり他者のアドバイスは大切である。あたり前のことを痛感させられた執筆活動であった。