Cafe HOUKOKU-DOH

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人事屋修行記(第25話)

飲み会つながり

 

川崎工場で事がいたフロアは、数棟ある建物のうち、敷地の真ん中に建っているビルの3階にありました。このビルは、1階が工機の試作現場、2階が電装課という燃料ポンプのモーターのコイルを作る巻線機などが入るラインの現場、4階が開発の設計と生産技術のフロアとなっていて、我々のいる3階フロアは、人事の他に、経理、情シ、生産管理、営業、品質、製造事務、製造技術など、事務系のほとんどの部門と役員室がありました。

 

3階は一面の大広間で、事務所の中に約7~80人くらいの社員が働いていました。川崎工場の事務系職場に新卒が配属されるのは久々であり、若手の先輩というと、製造技術に5つ先輩、その上は、直属の先輩とその同期の人が8つとあいていました。

 

そのせいもあるのか、付き合いがよくてどこにでも付いて行くのがよかったのか、営業や製造技術の課長にしょっちゅう声を掛けてもらい、飲みに連れて行ってもらいました。

 

会社には毎日のように10時過ぎまで残って仕事をしているのですが、残って仕事をしていると、これからどうだと声がかかります。「それじゃすぐ切り上げますのでお願いします」ってことで、話はまとまります。ここらへんがクルマ通勤のほかの拠点と違うところで、駅までの帰り道にいくらでも寄る店があるので、タイミングよくスタートが切れます。

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それにしても店主をかわいがってくれた営業の課長、その遊び方が豪快で、つねに万札が長財布がふくらむほど入っていて、必ず現金で勘定をします。もし払う素振りでも見せるとバカにするんじゃないと真面目に怒られました。

 

居酒屋に入ってビール飲みながらつまみで空腹を満たすと1時間もしないうちに切り上げて、「じゃ川崎(駅前の繁華街)いこうか!」といって、きれいなお姉さんがいるクラブにタクシーで移動です。

 

クラブでも偉ぶるわけでもなく、お店の女の子をバカ話でひとしきり笑わせて、小いち時間もすると、「飽きたな、次いこうか!」って感じでクラブをはしごです。そんな感じで毎回2~3件のお店を回って、午前3時頃まで遊んで解散、タクシーチケットもらって(営業課長は当時、束でもってました)帰るというパターンです。当然支払いも全部おごりで現金精算、領収書も一切もらわずで、とにかくあまりの豪快さに何者かと思ったくらいです。

 

後から聞いたところでは、奥さんの実家が資産家だというような話で納得がいった記憶があります。

 

そんな感じでかわいがっていただいていたわけですが、営業を中心に毎年伊豆に温泉旅行に行くイベントがあり、それにも誘われるようになりました。イッキにお金を出すと結構な出費になるので、毎月給料日にメンバーで自主的に積み立てをしていました。

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横浜の駅から東海道線に乗って、伊豆の温泉付民宿で宴会です。当然、行きの電車から飲み始め、民宿に着くと温泉につかりながら一杯、あの、湯船にお盆を浮かべてその上で日本酒をちびりとやるっていうマンガでしか見たことのないのを生まれて初めてやりました。で、夜更けに一人ずつ倒れて行くまで宴会はつづき、みんなが寝てようやくおひらきです。

 

翌朝起きると営業の主任が冷蔵庫をごそごそしていて、ビールの栓を抜く音で目覚めるといった状況です。朝食でもビールのビンが何本も抜かれ、普通の宴会並みの量になっていて、なんという集団かと改めて社会人のすごさを知らされました。

 

この旅行には毎年誘っていただき、3年目からはカミさんも一緒に連れて行ってもらい、ホントにみなさんにはよくしてもらいました。そして、旅行のおかげでコミュニケーションがとても密になったのはいうまでもありません。

 

つづく…