Cafe HOUKOKU-DOH

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人事屋修行記(第31話)

プロジェクト

店主が入社以来使っていた給与計算のシステムは、当時で導入してから25年くらい経ったもので、情報システムの担当者が専用のコマンドを駆使してオペレーションをする代物で、非常に使い勝手が悪いものでした。

 

さらにそれとは別に人事情報システムが5年程前に導入されていました。ただ、この人事情報システムは給与計算とは別で運用されていますから、内容がきちんとメンテされていませんでした。まあ、内容が違っていても、日常の運用に支障がなければ、よほどしっかりした担当者でなければしっかりメンテしませんし、データの間違いも見つかりません。そんな感じで、あるにはあるけど、あまり使われていないシステムでした。

 

この人事情報システムと給与計算システムには、課長以下みんなが課題感をもっていて、それそろ新しいシステムに入れ替えをしようということになりました。課長がA4用紙1枚の企画書をしたため、取締役総務部長の承認サインをもらってGOとなりました。

 

体制は、課長をリーダーに部内プロジェクトを立ち上げました。本社からひとり、宮城の工場からは係長クラスと担当の2人、情報システムからは1人、そして川崎工場からはなんと店主がメンバーに入ることになりました。

 

入社2年目にして給与計算のシステムを立ち上げるプロジェクトのメンバーに選ばれ、店主は、果たしてこのようなメンバーとまともに仕事ができるか、ついていけるのかという不安と、メンバーに選ばれたという周囲の期待の大きさに戸惑いながらも、ものすごくやる気がわいてきていました。

 

ます第1回目の打合せということで、宮城の研修厚生センターでキックオフをすることになりました。店主は、仙台出身ながらも、それまで宮城には出張したことがありません。初めての出張ということで、それだけでもワクワクドキドキです。

 

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出張に行く前に本社の先輩が電話をくれました。「プロジェクト一緒だけどよろしくね。忙しくなるとは思うけど、いい勉強になるからがんばって」と声をかけてもらい、出張も初めてだろうから一緒に行こうということになりました。

 

当日は東京駅の新幹線ホームで待ち合わせ。2人で新聞を買い、新幹線に乗り込みます。白石蔵王からタクシーに乗り、30分ほどで工場へ。当時は合併前でしたので、店主のいた会社は宮城には第1工場に役員室や管理部門がありました。

 

第1工場は新入社員で現場実習をやっていたとき以来です。この2年間電話では話す機会があったものの、直接顔を合わせたことのなかった、給与計算担当のメンバーともはじめてあいさつをしました。

 

はじめての出張は、今思うとわらってしまいますが、わからないことだらけです。先輩について行って、出張者用の作業服の場所や、ロッカーの場所、使い方などいろいろなことを教えてもらいました。すべての仕組みが、「わかっている人向け」になっていて、初心者は誰かに教えてもらわないとまったくわかりません。ただ1回経験すればすむことなのですが。

 

ひと通りあいさつを終えたあとは、研修厚生センターに移動してキックオフのスタートです。ここでも情報システムの主任さんが初対面でなかなか緊張しました。最初に今回のプロジェクトの背景、目的、狙いやスケジュール感の説明があり、その後具体的な進め方についての提案がありました。

 

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まずは現状把握をしっかりやるということで、今現在の業務フローの整理と、新しいシステムでやりたいこと、実現したいことを、できるできないは抜きにしてブレストして洗い出し、まとめていくことになりました。毎週水曜日を定例会議の日と設定し、角田で終日打合せをしていくことになり、今まで出張したことがなかった店主がイッキに毎週出張することになりました。コレにはあとで上司に、忙しいのに毎週出張なんてと、かなりいやがられましたが…

 

今思うとかなりのんびりしたシステム入れ替えのプロジェクトの進み方でした。いい時代だったと思います。

 

つづく…