Cafe HOUKOKU-DOH

~ホッとひと息的な読み物でブレイクするサイト~

IVY Note No.36

アメリカングラフティ

店主が若いころに大きく影響を受けた映画のひとつに「アメリカングラフティ」がある。日本のIVY創世記と時を同じくした60年代カルフォルニアの片田舎を舞台にした青春物語である。

 

高校を卒業して大学に進学するために、故郷での最後の夜を過ごす2人を中心に、いつものたまり場であるドライブインにそれぞれの愛車に乗って集まる。当時の若者のいつもの夜のドタバタと心の揺れが描かれていて、単純に映画としても楽しめる内容である。

 

店主がこの映画にハマったのは、映画そのものの面白さもさることながら、全編を通じて流れるロックンロールの名曲の数々と出演者のファッションであった。

 

アメリカン・グラフィティ (字幕版)

アメリカン・グラフィティ (字幕版)

  • リチャード・ドライファス
Amazon

 

主人公たちはボタンダウンシャツにチノパン、ローファーにスニーカー。年上の改造車に乗るストリートレーサー気取りの友人は、真っ白のTシャツにスリムのジーンズ。Tシャツのロールアップされた袖には、キャメルの両切りタバコが挟まっている。

 

卒業した高校の謝恩会では、バンドマンたちがダンスナンバーを演奏していた。彼らの衣装は、真っ赤なブレザーに白のB.D.シャツ、そして細身の黒いニットタイを締めていた。

 

そのバンドの演奏に合わせて高校生たちが、思い思いのオシャレをしてツイストを踊るのである。その会場では、主人公の彼女であるチアリーダーが、みんなのあこがれの的であるレタードカーディガンをカッコウよく着こなしていた。

 

主人公たちのフツーで真面目な若者を取り巻く、ちょっとやんちゃなグループメンバーは、ブルージーンズにスカジャンやジージャン。ヘアースタイルはもちろんポマードでバッチリ決めたリーゼントであった。

 

その他にも、アロハシャツや真っ赤なスイングトップ、ボーリングシャツやラバーソールといった、50~60年代のアメリカのティーンエイジャーたちのファッションが満載なのである。

 

doga.hikakujoho.com

 

クルマやベスパ、ラジオのDJ、そのほかのライフスタイルそのものから匂いたつ古き良き時代のアメリカの生活そのものが、アイテムや着こなしだけでなく、すべてが店主たちの教科書であり、あの雰囲気にあこがれ、必死に追いかけたのであった。

 

厳密な意味で突き詰めていくと、すべて一緒にできるわけではないのだが、いわゆる昭和の若者たちが漠然とあこがれていたアメリカというものが、そこには確実にあったのだ。

 

そして店主のファッションはもとより、価値観にとても大きな影響を与えてくれたのであった。