ワードローブチェックリスト
まもなく立春。洋服店などでは店頭のディスプレイや品ぞろえを春物に入替えている。春に向けて、ベーシックなアイテムをアイビーアイテムをベースにそろえようと考えている読者に向けて、ワードロープチェックリストを作成してみた。
すぐにすべてのアイテムをそろえるのは、現実的ではないが、数年かけてアイテムをそろえていくうえでのチェックリストとしては、ある程度使えるモノになっているのでは、と考えている。
リストは、ドレスとカジュアルに分けてアイテムをリストアップした。小物であるネクタイ、ベルト、靴下は別途検討することとして、あえて外している。まずはドレスから見ていくこととしたい。
Ⅰ型ウースデットスーツ(チャコールグレー)
まずはスーツ。一着目としてはやはりⅠ型のアメリカントラディッショナルなスーツをそろえたい。ビジネスにおけるあらゆるシーンで幅広い層に信頼感を与えてくれるはずだ。
スーツは春先だと、ゴールデンウィークを目安に冬物から夏物に切り替えるといわれている。ここでは夏物として、ウースデット素材のチャコールグレーをチョイスした。(写真は冬物)トラッドでは一着目はまずチャコールグレーといわれている。わが国では最近、黒が主流だが、周囲との差別化をはかる意味でもおススメしたい。
ウイングチップ
一着目のスーツに合わせる靴はやはり、ウイングチップである。その名前が示すように、つま先部分にW形の羽のような飾りがついている。ウイングの両側の先がかかとまで延びているのがロングウイング、土ふまずのあたりで終わってしまうのがショートウイングである。
ロングウイングはひもを通す部分が羽根のような形をしており、外羽根式と呼ばれる。一方ショートウイングは内羽根式となる。主にロングウイングがアメリカ式で、ショートウイングが英国式なので、Ⅰ型に合わせるのであれば、ロングウイングということになる。
ウイングチップは、Wの部分に装飾があるため正装には向かないが、通常のビジネスシーンであれば問題ない。また、リストアップしているブレザーとの相性がとてもよく、どちらにも合わせられるので、重宝な一足である。
イマドキのイタリア系のスーツに合わせるのはむずかしいので、最近では履いている人を見ることも少なくなった。しかしコバ(靴底とアッパーとがつながっている部分のフチ)の張り出したウイングチップを見ると、足元がしっかりしていて、いかにも安定感があり、全体のバランスがよく見える。アメリカントラッドには欠かせない靴である。
オックスフォードB.Dシャツ
Ⅰ型、ウイングチップとくれば、シャツはボタンダウン。生地は王道のオックスフォードである。オックスフォードクロスは織り目があらく、スポーティーなイメージではあるが、アイビーリーガーご用達であり、外せない。
オックスフォードクロスはタテとヨコの綿の糸をそれぞれ2本ずつ組み合わせて平織で作られている。厚みがありながらも柔らかく、ふっくらとしていて通気性が良い。この肌触りは着なれてくるとやめられないのである。
また、ドレスにもカジュアルにも着れるという応用範囲が広い素材でもある。プレスなしの洗いざらしでは、この生地独特の風合いを醸し出し、そのカジュアルな雰囲気のファンは店主以外にも多い。
スーツに合わせるのであれは、まずは白から入りたい。チャコールグレーのスーツに白のコントラストがとても映えること間違いない。