ワードローブチェックリスト
先週に引き続き、これから春先に向けての春物ワードローブチェックリストを見ていきたいと思う。
Ⅰ型ブレザー
アイビーのなかのアイビーアイテムとして、つねに真っ先に登場してくるがこのⅠ型ブレザーである。その特徴は基本的にⅠ型スーツと同じであるが、元が運動部のユニフォームに由来しているので、ブレザーならではのディテールがある。
- ジャケットのウエスト部分にしぼりがない「ボックスシルエット」
- 肩パットを極力薄くした「ナチュラルショルダー」
- シングル3つボタン中1つ掛け「段返り」
- ジャケットの背はセンターで鉤(かぎ)型に切り込みが入る「フックベンツ」
- 衿やポケットのフラップ、背中などに入る0.6~0.7mmのステッチ
上記はⅠ型スーツを見たときに整理した特徴であるが、上記に加えてブレザーならではの以下の特徴をもつ。
- 胸ポケットは「パッチポケット」
- 両脇のポケットは「パッチ&フラップ」
- ボタンはメタル製で模様の入った「金ボタン」
ベーシックカラーはネイビーである。最近はめっきり見かけることがなくなったが、ビジネスシーンからオフまでとても幅の広い着回しが可能な便利なアイテムである。まだ手に入れていない読者の方は、ワードローブへの追加を検討してみてはいかがだろうか。
ウースデットパンツ
ネイビーブレザーの鉄板コーデのボトムスは、やはりウールのパンツだ。色はもちろんチャコールグレー。このパンツは夏物、スリーシーズン用と素材を変えることで1年じゅう合わせることが可能だ。
パンツはもちろんタックなしの尾錠(バックストラップ)付のモノをチョイス。シルエットは、昔ながらのパイプドステムが定番だが、イマドキにコーデするには、若干裾に向けて絞ってある細身の方がすっきりして見えるだろう。
パンツの裾は、もちろんダブル。昔は4cmが定番だったが、パンツ自体のシルエットが細くなっていったのに合わせて、店主ももっぱら3.5cmにしている。丈は「ハーフクッション」といって、靴の甲に軽く裾先が乗るくらいの長さが、清潔な印象でアイビーにやトラッドにはピッタリである。
このパンツをあわせることで、多くのビジネスシーンに対応することができ、ネイビーブレザーのコスパを最大化してくれること請け合いである。
プレーントウ
ビジネスシーン向けのシューズとして、もっともメジャーなのがプレーントウである。ブレザーへのフィット感といえば、先週見たウイングチップの方がいいのだが、先週Ⅰ型スーツにあえてウイングチップをあわせるカタチで紹介したので、こんどはプレーントウを選んでみた。
プレーントウはその名のとおり、一切装飾のないつくりで、表皮でつくられることが多い。とくに有名なのは「コードヴァン」といって、馬の尻部分の皮だ。一般的に仕上げられた革と違い、皮の中にある厚さわずか2mm程度の「コードバン層」と呼ばれる部分だけを削り出したもの。
馬一頭から2足程度しかとれないという希少性や、その独特のつややかな光沢から「革のダイヤモンド」とも呼ばれ、人気がある。
プレーントウは、飾りのついたウイングチップと違って、ビジネスシーンでの守備範囲は広い。ブレザーからアメリカントラディッショナルなスーツまでカバーしてくれるので、ビジネスパーソンとしては必ずそろえておきたい一足である。