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Office基礎49 フォントのはなし2

資料作成に必要なこと

資料というものは、わたしたちが他者になにごとかを伝えるために説明をするわけだが、その説明を口頭のみでするよりも、より説明内容の理解を促進するために存在する。

 

最近のビジネスシーンでは、Web会議システムとの相性もいいことから、PPTがほぼデファクトスタンダードになりつつある。(PPTを社内会議の資料として使用する功罪は別だと考えるが)

 

PPTの資料というのは、スライドに図形や文字などを使って視覚的に説明内容を補足するため、箇条書きの短い文章が主流となる。一方で論文など長文の読ませる文章の場合、Wordを使うことが多い。

 

読みやすさが重要

資料は説明を補足するとはいえ、スライドに書いてある文章は当然、説明を聞く側は読ことになる。説明を聞きながら文章を読むわけなので、読みやすさは当然重要。読みづらくて説明を聞くことがおろそかになったり、リズムをくずしてしまうことは避けなければならない。

 

読みやすさには3つの基準があるといわれている。1つめは「視認性」という、目で見たときの確認のしやすさである。視認性が高いほどパッと見ただけで文字を認識できるので、リズミカルに読むことができる。

 

2つめは「可読性」といって、文字や文章が読みやすいこと、である。論文のような長い文章の場合には、この可読性が重要になってくる。

 

3つめは「判読性」といって、辞書的には「文字や文章を判断・推察しながら読む性質をもった」という意味で、要するに読み間違いのしにくさの程度を指している。

 

この読みやすさの基準を資料にあてはめて考えると、PPTで作成する資料は、パッと見て読めることや、読み間違いをしないことが重要なので、「視認性、判読性」が高い方がよく、フォントの大分類でいうと「ゴシック体・サンセリフ体」が合う。

 

一方、Wordで作成することが多い論文のような長い文章は、目で文章を長時間追いかけるので「可読性」が重要視され、「明朝体、セリフ体」がフィットする。新聞や小説が明朝体で印刷されているのを思い出すと納得がいく。

 

フォントの選び方

アプリにおけるフォント選びのポイントは5つほどある。まず第一に

  • 読み間違いが少ないこと

である。最近はユニバーサルデザインが尊重される傾向があるが、資料の場合でも同様だ。同じような形状の文字が判別しづらかったり、数字の開いている箇所の開き方が少なかったり、濁点などが見にくいなどがないほうがいい。

 

  • 太字、斜体に対応していること

フォントには、太字、斜体に対応しているものと、そうでないものがある。対応していないフォントは、アプリ上で標準フォントの周囲に線を加えただけだったり、単に斜めに傾けるだけで、変形した後のバランスなどがくずれてしまう。

 

  • 和文と欧文の相性がいいこと

ゴシック体にサンセリフ体、明朝体にセリフ体は基本として、そのほかにサイズや太さ、スタイルが似ているものを組合せることが大切である。とくにサイズは、凹凸ができてしまい目立ってしまう。

 

  • きれいなこと

あえてあげるほどの要件ではないと思うが、一方で手書きの文書などを考えてみると、きれいな字で書かれた書類やホワイトボードはそれだけで読みたくなることを考えると意外と大切な要素かもしれない。

 

  • 汎用性が高いこと

フォントは、WindowsPCに標準搭載されているほかに、MacPC搭載のものや無償でダウンロードできるもの、有償で購入するものなどがある。他のメンバーとの資料共有や他者のPCでの投影などを考えると、汎用性が高いフォントであることも重要である。

 

候補は意外と少ない

フォントは世の中にたくさん存在する。有償のものは極めて高価であり、汎用性の点で要件を満たさない。上記要件を備えていて、WindowsPCに標準搭載されていると条件をしぼると、候補は意外と少なくなってくる。

 

PPTでの資料作成を前提に、ゴシック体・サンセリフ体では以下のとおりである。

【ゴシック体】メイリオ、游ゴシック、Meiryo UI

サンセリフ体】Segoe UI、Arial、Calibri

 

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Meiryo UIは、メイリオのUI(User Interface)フォントで、限られた領域にできるだけ多くの文字を表示するために開発されたものだ。「MS Pゴシック」にくらべひらがな、カタカナが2/3程度の幅になっている。

 

このフォントのきれいさには賛否両論あるが、限られたスペースに多くの文字数を入れることができ、資料作成では重宝するので、あえてここで取り上げた。このフォントをどのように評価するかは読者の判断におまかせすることにしたい。