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IVY Note No.55

クールビズに思うこと

現在の東京都知事の小池さんが環境大臣時代の2005年、省エネ政策の一環としてスタートしたクールビズだが、わが国社会には完全に浸透したようである。それどころか独自解釈の元進化してゆき、ノーネクタイは冬でも違和感がなくなっている。

 

クールビズを発端としたビジネスシーンでのドレスコードの変化であるが、このあたらしいレギュレーションを有効に使っているのは、まだまだ少ないといえる。

 

当初目的は、涼しい服装で仕事をする代わりに、室内の冷房温度を上げましょう。だったが、そこにドレスコードのカジュアル化やテレワークの普及もあいまって、ビジネスカジュアルなるあらたな規範的な価値観があらわれてきた。

 

ひき算はやめる

クールビスのスタート当初は、スーツでのフル装備から、ネクタイや上着をひき算して着ているだけであった。オフの普段着はゴルフウエアしか持っていないわが国のお父さんたちなのでいたし方ないのだが、ここからあまりにも進化がなさ過ぎるのだ。

 

唯一進化したといえば、ボタンダウンシャツくらいであろう。レギュラーカラーのワイシャツでは、ノーネクタイのときに襟元がだらしなく見えるということで、一躍B.Dシャツが脚光を浴びたのである。

 

しかしながらそのどまりで、その後の進化があまり見られないのである。スーツと合わせるための靴であり、パンツであり、ベルトのままなのだ。

 

清潔感

スーツはスーツとして着てはじめて完成形になるので、それをひき算するとどうしてもだらしない印象にしかならないのだ。なので、スタートはジャケット+パンツからスタートする。

 

それだけでもひき算して着ているスーツより格段に清潔感が出てくるのが不思議なものである。やはり、全体の完成形がまったく違う場所からスタートしているためであろう。

 

素材と色づかい

ジャケットは脱ぎ着することも考えると、起点はパンツである。まず素材をコットンにするかサマーウールにするかがスタートだ。まずは薄いグレーのウールか、カーキやベージュのコットンをチョイスすれば無難である。

 

 

シャツはできればコットンのB.Dシャツ。色柄はブルーか白地のタッターソールがコーデの幅が広く使いやすい。まちがってもスーツ時代の真っ白なシャツは合わせないこと。ひき算の残骸のようになってしまう。

 

最大のポイントは靴である。オールラウンダーとしてはまず1足目にローファーがあげられるが、夏という季節を考えると、デッキシューズも入れたい。

 

あとは、そのパンツにあうベルトである。ウールのパンツには革製ベルトというのが定番なので、少々カジュアル目のベルトをチョイスするといい。コットンのパンツであれば、革製、布製どちらのチョイスもありだ。

 

ジャケットもやはりウールかコットンを決めたい。夏のシーズンにしか着れないコットン素材のシアサッカーやコードレーンといった白系のジャケットなどにトライしてもおもしろい。

 

 

相手に不快感を与えない

服装の基本は「相手に不快感を与えない」ことである。真夏にネクタイをしめて汗だくになっているのは、到底不快感を与えないとはいえない。

 

最近は機能性が充実した下着などもたくさん出回っているので、それらを上手に活用して、かつこれまで紹介したような素材なども上手にチョイスして、涼しく快適に着こなし、相手に不快感を与えないばかりか、清潔感があって好印象をあたえるような着こなしをしていきたい。

 

不快感の感じ方は、相手の年齢や価値観に大きく左右されるところが大きいと思うが、そこはTPOでフレキシブルにあわせる感性を磨いていきたい。ビジネスウエアのカジュアル化がすすんでいくと、服装もビジネスの必要能力に加わってくる日が早晩くるのではないだろうか。