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人事屋修行記(第57話)

初面接

本社人事に異動になって、うれしかったことの一つに、新卒採用のヘルプの仕事がありました。2つとなりの席で同僚が新卒と中途の採用を担当していました。当然、面接の時期は人手が足りなくなるので、本社人事の全員で面接のヘルプをします。

 

会社に入社して工場人事に配属されて以来、新卒採用の仕事は一度やってみたかったあこがれの仕事でした。工場人事時代には、中途採用の面接やパートさんの面接は結構数をこなしてきましたが、新卒の面接はやったことがありません。まずは、一次面接からということで、先輩と2人セットになり、面接官見習いをすることになりました。

 

自分が面接を受けたときを思い出してみてもそうですが、最初にアイスブレークから始まって、志望動機、会社を知ったきっかけ、他社の就活状況をひと通り聞いた後、学生時代にガクチカなどを聞き、それらの会話を通して、その学生さんがどのような状況でどのように考え行動したかという過去の実績をヒアリングして、入社後の行動を予測していきます。

 

最初は、先輩の面接をとなりで聞いてメモをとりながら、どんな状況でどんな切り返しや内容を深めていくのかをじっくりと観察しながら学んでいきました。そして、最後に「赤坂さんも何か」と振ってもらい、気になった部分を深ぼりするような形で聞いていきました。

 

 

1日目は、それで終了。2日目からは理系は専門性の評価がまだ難しいとのことで、文系の学生をひとりで担当することになりました。昨日の要領で進めるために、あらかじめ質問項目を多めにメモに書き出しておき、面接スタートです。

 

採否の判断のポイントは?との質問に先輩はひとこと「最後に迷ったら、一緒に働きたいかどうかで判断して」そのとき初めて、学生が会社を選ぶのも、企業が学生を選ぶのも最終的には人と人との関係なので、同じなのだと思ったものでした。

 

面接を初めてひとりでしてみて感じたのは、とにかく疲れるということでした。学生さんは、自分の人生がかかっていますので、真剣勝負で向かってきます。それと真正面から向きかって会話をし、かつ判断をしていくという場面は、自分自身も知らず知らずのうちにかなり集中をしていて、いちにちが終わって気づくとぐったりしてしまいます。

 

それくらい、会社で一番大切な財産である人を採用する仕事は、重要でまたやりがいのある仕事だとつくづく感じさせられました。

 

つづく…