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人事屋修行記(第59話)

人事評価

本社に異動してから、人事評価を新たな仕事として担当することになりました。それまでは、旧各社ごとに実施していたものを、統一のルールとツールを使って展開、実施しなければなりません。

 

評価シートも人事企画から出てきたフォーマットを先輩のアイデアで複写式の連続用紙にして、1回の配布で上期、下期、年間と3回使えるようにカイゼンしました。

 

それに加えてその後の集計作業を効率化するために、課ごとに標語のみを記入して提出してもらう人事評価集計シートや各本部ごとの評価分布を集計し、目安以内におさめてもらったうえで、最終的に本部長の確認サインを入れてもらって提出してもらうための本部毎評価分布一覧などのフォーマットを新たに作って展開しました。

 

人事評価の仕事は、評価の実施を各課長にお願いし、評価の結果を本部ごとにまとめ、多面評価といわれる相対評価を行い、評価分布と平均点をガイドライン以内にして提出してもらいます。

 

 

しかし、平均点をガイドライン以内にして提出してくる本部ばかりではありません。ガイドラインを超えていながらも、なんだかんだ言い訳をしてそのまま出してくる本部も結構あります。

 

そういうときには、担当者として各本部と折衝をして、ガイドライン以内におさめてもらうことが仕事になってきます。

 

各本部には、人事評価のまとめを担当する本部人事担当のような人がいます。扱う仕事の性格上、みなさん役職者であり、それも本部のまとめをするくらいの方なので、本部長の信頼のあつい、実力派の人のケースがほとんどです。

 

まだ主任にもなっていないかった店主は、評価の時期になると、その方々と毎回、喧々諤々の調整をさせてもらってきました。

 

 

なかでもいちばんやっかいだったのは、2千人近くの従業員が在籍する生産本部でした。各工場長の発言力が強くなかなか調整ができません。あるとき、後に第三工場長や中国現法の総経理、栃木センター長を歴任した、取りまとめ担当の主任技師に調整のお願いに行ったときでした。

 

「オレの後ろには生産本部2千人の従業員が付いていることをお忘れなく」とあのゴルゴ13のような角刈り頭で、夜の10時過ぎに凄まれたときには、生きた心地がしませんでした。

 

それでもめげずに通い続けていると、そういう人に限って結構こちらが困ったときなど、協力してくれるものです。当時の担当者とのパイプが、その後の仕事にどれだけ役に立ったかは、言うにおよびません。

 

つづく…