オックスフォードクロス
最近はスーツどころかビジネスカジュアルも身にまとわなくなった店主であるが、過去からのストックとして、結構な枚数のシャツがワードローブにしまってある。
ひと口にシャツといってもそのバリエーションは豊富であり、街を歩いていてもなかなか同じ色や素材、ディテールのシャツにお目にかかることはない。
店主のお気に入りのシャツは、あたり前ではあるが、襟のカタチはボタンダウン。これ一択である。まあアイビーの象徴のようなアイテムなので、別段おどろく読者も少ないであろう。
ボタンダウンと同じくらいにこだわりたいのが、素材というか生地である。コットン100%はあたり前として、その織り方は「オックスフォードクロス」と呼ばれる生地でないと、ボタンダウンにあらずといった感じなのである。
オックスフォードクロス以外のシャツがワードローブにない訳ではないのだが、この着心地が一回着てしまうと病みつきになるのだ。
この織り方は生地は厚手になる。なので、ボタンダウンに仕立てたときのカラーの立ち具合だとか、細部のディテールの主張の具合とかが実にいいのである。
また、だんだん着込んでいくにつれ、デニムが風合いを増していくように、このオックスフォードクロスも体に馴染んで色が落ち、いいくたびれ感を醸し出すのだ。
このシャツを襟の首筋が擦り切れるまで着るのだ。薄くなってきて体に馴染むようになった下着などと同じ感覚で、とても肌触りもよく、実にシックリくるのである。
ここまで着込んでもサマになるのが、このオックスフォードクロスなのである。