ヘビーデューティー
アイビーアイテムというと、ブレザーなどに代表されるジャケットやフランネルのパンツなど、そもそも英国の大学などにゆかりのアイテムを米国アイビーリーグの学生たちが取り入れたものが多く、クラシックなものが多い。
そんなアイテムのなかで、70年代後半あたりからヘビーデューティーアイビーなるものがはやりはじめる。それまで専門衣料と思われていたアウトドア向けのウエアを日常生活に活用することに気づきはじめるのだ。
冬山の防寒衣料や登山用のシューズ、木こりの作業服など特殊な環境で用いられる衣料品である。当然機能性や耐久性などは、日常生活のそれとはまったく異なる発想でつくられているので、とても高度な次元で完成されている。
これらのアイテムが学生のカジュアルなタウンユースにハマったのだ。
しかし、このような専門衣料のタウンユースへの取り込みは、なにもヘビーデューティーアイテムに限ったことではない。アイビーの昔からのアイテムには、そのルーツを漁師の防寒着や軍隊の装備品にもとめるものが多い。
長きにわたり愛用されるアイテムというのは、結局のところ、ディテールだけでなく機能的に優れているものが、着られ続けるということなのである。