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人事屋修行記(第80話)

デビュー戦

採用イベントの下見の後は本番です。本番の場所はなんと地元仙台。仙台駅東口の会議室を借りてのイベントでした。「職サークル」という一見風変わりなそのイベントは、企業の採用担当者がパネリストになって司会者や学生の質問に本音で答えていき、学生が働くことの本質をつかんでもらうという企画でした。

 

 

冒頭の企業紹介以外は、台本なしの学生100名を目の前にしたオールアドリブのイベントです。このパネリストとして入社2年目の部下の参加をボクはほとんど無理やり決めました。

 

彼女は人前で話すことが大の苦手だといっていたので、ここは苦手意識を克服するチャンスだと考えて、なだめすかしての参加となりました。

 

当日のパネリストは全部で3名。お一人は、三菱電機ビルテクノサービスというエレベーターなどのメンテナンスを主に手がけている会社の採用担当部長さん。

 

もう一人は、会社の取引先でもある仙台にある梱包財会社の社長さんで、お二人とも採用以外の場面でも数々の修羅場をくぐりぬけてきた百戦錬磨の超ベテランです。

 

会場に入ると初対面のお二人にごあいさつをして、店主の部下が入社2年目で今月から採用担当になったこと、今日がイベントデビュー戦であることをお伝えし、トーク場面ではフォローしていただけるようお願いをしました。

 

 

さすがにお二人とも、はじめはボクがパネラーとして立つものだと思っていたようで、面食らっている様子でしたが、我々からのお願いに、若くて不安げな担当者の顔を見てか、「大丈夫、任せておきなさい」と心強い言葉をいただいて少々安心しました。壇上の席順は、お2人で部下を挟むように配慮をしていただきました。

 

店主は、後日部下がトークPDCAを回せるようにと、会社からビデオ機材を持ち込んで、会場の一番後ろにセットをしました。それを見ていたパフさんの社長やスタッフのみなさんから「そこまでやるなんてなんと真面目な会社なんですね」ととてもビックリされたのが印象的でした。今考えると昇格試験のアセスメントセンターのイメージ強すぎだったかもしれません。

 

イベントは、周囲のみなさんの強力により、つつがなく進んでいきました。司会の方やパネラーのお二人とも、なるべくクローズドクエスチョンや答えを誘導するような進行をしていただいたおかげで、トークに詰まることもなく、とてもデビュー戦とは思えないような出来栄えでした。

 

 

終了後、パフさんのスタッフのみなさんやパネラーの方々からも、「本当に初めてなの?、とてもそうには見えない」とのおほめの言葉をたくさんいただき、デビュー戦は大成功に終わりました。その後は、参加者全員でお約束の国分町での反省会への流れていったのでした。

 

つづく…