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人事屋修行記(第85話)

創ろう会

 2004年当時の社長は、品質改善やコスト競争力強化への現場での取組みについて、その進捗状況を社長に現場現物を見せながら各部門の担当者が自信のある取組みを自慢し、2wayコミュニケーションするイベント、「 **創ろう会」を楽しみにしていて、毎月どこかの工場で開かれていました。

 

当時人事企画にいた、後の事業企画部長がそれにヒントを得て、人事部内の若手層で何か新しいことを考えて、小さくてもいいから自分達発で会社を良くして行く活動ができないかというアイデアを温めていたものを、やってみようということになりました。

 

名付けて「明日の人事を創ろう会 」。部内の各課から主任以下の若手で、問題意識、改善意欲のあるメンバーを一人ずつ人選して、月1回のペースで会議を開き、自分たちで課題を見つけて議論し、それに対して人事部の課長会へ提案していくということでスタートしました。

 

メンバーは、宮城の各工場ごと、栃木の研究所、川崎工場、本社から1名ずつ、そして発案者の彼と人事課からボクともう1人という、なんとも議論が活性化しそうな面々でスタートしました。

 

最初の課題設定の議論では、メンバーからさまざまな内容が出て、その中から創ろう会のテーマとしてふさわしいもの16テーマを選び出しました。就業規則の運用内規に定めている親族表がわかりずらいというものから、人事部の業務分掌の内容、勤怠残業実績管理表の運用や勤怠届の廃止まで、どれも実務に即した身近なテーマばかりでした。

 

 

そんな中で当初から一番盛り上がったテーマがありました。「 なぜ、通勤車両ステッカーを貼らないのか 」。これには、メンバーからも賛否両論たくさんの意見が出て、非常に活発な議論が交わされました。

 

  • 「自分の勤めている会社の名前を周囲に示すことがはずかしい、いやだなんて、社員としてあるまじき、理解できない」
  • 「どこの会社の社員だと周囲からわかるので、無謀な運転はできなくなるメリットがあるのでは」
  • 「ダサいデザインのステッカーだから貼りたくないと思う」
  • 「盗まれるようなカッコイイデザインのステッカーにすれば、みんな喜んで貼るのでは」

 

など、たくさんの意見が出て、最終的に発案者の彼が、ステッカーのデザインを作ってくることになりました。

 

次の会議のときに出てきたデザイン案は、新しくなった会社のロゴをそのまま使ったシンプルで素敵なデザイン。創ろう会としては、全員一致でこのデザインを採用し、一緒に当時はリアのガラスに張っていたものを前から見えるようルームミラーの裏面へ貼るよう貼付場所も変え、人事部の部課長会へ提案しました。

 

結局、あれよあれよという間に、提案が採用され、通勤車両ステッカーは創ろう会提案のとおりになりました。当時メンバー一同、問題意識を持ってしっかりと考え提案すれば、会社は良くなっていくということを改めて実感した瞬間でした。

 

つつく…