サドルシューズ
アイビーアイテムとしてのシューズは、ラインナップが多い。ざっと数えただけでもビジネス系とカジュアル系あわせて30~40種類くらいは簡単に数えることができる。
そんなバラエティーに富んだシューズのなかで、むかしからいちばん気になる存在が、サドルシューズである。
最近ではほとんど履いている方を見かけることもなくなったが、読者のみなさんもどこかで一度は見たことがあるのではないだろうか。
シューズの躯体全体がベージュで、ツートーンでセンターの部分がブラックやブラウンになっていて、ちょうど馬の鞍のような形をしている。ゆえに、「サドル」シューズと呼ばれている。
このサドルシューズ、見た目にもかなりスポーティーなデザインで、オーセンティックな50年代米国若者の着こなしには欠かせない。
1980年代頃の店主の地元では、50'sと呼ばれる米国50年代ファッションが、一部のマニアックな若者の間で流行っていた。
古着のスタジャンやスカジャンに、大きくロールアップしたリーバイスの501をあわせ、ベスパやでかいアメ車を乗り回し、ダンスパーティーなどを催して集っていた。
そんな彼ら、彼女らの足元を飾っていたのが、サドルシューズであった。ブラックとホワイトのコンビのラバーソールとならんで、50'sファッションのアイコンのような存在だったのをよく覚えている。
その後、アイビーを深く知るうちに、サドルシューズは50'sファッションだけでなく、アイビーのアイテムとしてもラインナップされていることに気がつく。以降、長年店主のワードロープに組み入れられている。
このサドルシューズは、スポーティー感が強いために、ドレッシーなコーデにあわせるとクラシカルな感じが強くなってしまう。なので、ホワイトデニムやピケのLeeウエスターナーなどとあわせると、とてもアイビー臭い雰囲気を醸し出してくれる。
ほかのベーシックなアイテムのコーデにあわせるだけで、差別化がはかれるので重宝するアイテムなのである。