仕事におけるムダな作業のうち、結構な割合を占めるのがいわゆる「探し物」。以前はオフィスにおいて実際の紙の書類や資料を探すことをおもに指していたが、リモートワークがデフォルトになりつつある現在では、電子ファイルを探す時間も含まれるようになった。
電子ファイルは一般的に会社やチームで設定された共有ドライブに、なんらかの基準で分類されたフォルダごとに、ファイルに名称を付けて保管する。
ちょうど一冊ごとに背表紙がつけられたファイルの中に、見出しのインデックスシール(そもそも現在では死語かも…)を付けるイメージである。
紙の書類と電子ファイルを保存する際のいちばんの違いは、その検索性にある。エクスプローラーなどの検索機能を使うことはもちろんだが、検索機能を使わなくても、更新日時やファイル名でソート(並べ替え)をして、目的のファイルを探している読者も多いと思う。
更新日時は任意にコントロールできないので、「いつ頃更新したか」でしか検索できない。一方でファイル名はそのつけ方次第で検索キーとして有効に機能する。
検索に有効なファイル名のつけ方は一般に次のようなものがある。
- ファイル名の先頭に作成日付を付ける
- ファイル名の後ろにバージョンを付ける
- ファイル名の先頭に●や■などの記号を付ける
ファイル名そのもののつけ方にルールを設ける場合もあるが、一般論として取り扱うにはふさわしくないのでここでは割愛する。
1.は「いつ頃」の検索キーになる。更新日時と違うのは、上書きしたとしても変化しないことである。
2.は大企業に多いが、上長などに確認してもらい、その都度アドバイスを反映していった場合に、最終版が確定するまでの保険の意味で途中経過のバージョンを残しておく場合が想定される。
3.は、最終版やテンプレートなどを視覚的に見える化する場合に効果的である。●や■などの記号は、数字、記号、アルファベット、ひらがな、漢字の順でソートされるので、コントロールもしやすい。
ファイル名の付与方法にルールを設けることがいちばんではあるものの、これをメンバー全員に徹底させるのは結構な作業である。まずはこれまで述べた簡単なルールからはじめてみるのがおススメである。