6-3.5S
5Sとは「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾(しつけ)」という5つの活動の総称でローマ字の頭文字からきています。単なる職場をきれいにする活動ではなく、その真の意味合いは「目で見る管理」の基本となる考え方です。
以下、それぞれを詳しくみていきましょう。
■整理
5Sにおける整理とは、必要なものと不要なものを区別して、不要なものを捨てることです。ここでいう不要なものとは、在庫や道具、書類といった物理的なものだけではなく、データや情報など、目に見えないものも含まれます。不要なものがなくなることで、必要なものを探す際に効率が良くなります。また、無駄がなくなることで、生産性の向上やコスト削減といった効果にも期待できます。
■整頓
5Sでの整頓とは、必要なものを決められた場所に置いておくことです。また、置く場所だけではなく、置き方や表示などによって、必要なものがすぐに取り出せる状態にしておくことも含まれています。必要なものを探す時間がなくなることで、ひとつひとつの作業効率を高めることが可能です。
あるデータによると、ビジネスパーソンが必要なものを探すために費やす時間は、年間150時間にのぼるといわれています。必要なものを探す時間というのは、生産性がまったくないムダな時間です。整理・整頓を行い、これらのムダな時間を削減するだけで、生産性を大きく高めることができます。
■清掃
5Sでの清掃は、職場を掃除してきれいな状態に保つことです。また、職場だけではなく、使う道具なども手入れをしてきれいに保つことも清掃にあたります。ここでの清掃は、ただ掃除をするだけではなく、しっかりと目標を決めて行うことが求められます。
そして、その目標を達成するためには、ルールや手順に落とし込んでいくということが必要です。
■清潔
5Sでの清潔とは、前述した「整理」、「整頓」、「清掃」を徹底することで、常に汚れのないきれいな状態にしておくことを意味しています。これらを徹底することで、職場での事故などを防ぐことができ、安全性の向上にもつながっていきます。
■躾(しつけ)
5Sにおける躾とは、決められたルールを実行できるように習慣づけることです。これまでで示した、5Sの要素のそれぞれを実行し、実現していくためには、ルール化し普段の仕事の中に取り込んでいく必要があります。これらを意識せずとも実行できるようにすることが、躾の最大の目的です。
いかがでしょうか。表面的な単なる職場をきれいにする活動ではなく、職場を見える化し、ムダをなくす仕組みの導入とムダを顕在化させる活動なのです。また5S活動も目的化すると迷走しますので、しっかりと目的を踏まえ、その手段であることをしっかり認識して取り組むことがポイントとなります。