6-8.変化点管理
変化点管理とは、生産工程における品質管理の手法のひとつで、その考え方は、事務職の仕事における日常管理にも取り入れることが可能です。そこで、変化点管理の考え方を押さえておきましょう。
品質管理の目的は、①外部から工程に不良を入れない、②工程で不良を作らない、③不良は外に出さない、の3つとされています。それを実現するためにはどうすれば良いのでしょうか?
工程を乱す最大の要因は「ばらつき」です。一定のペースで工程を流すことを邪魔する「ばらつき」は、生産の4要素である4Mの変動によって引き起こされます。4M変動をうまく捉え、コントロールすることによって不良の発生を未然に防ぐ事が出来ます。それが予防保全である変化点管理です。
製造現場で不良が最も多く発生するのは、製造条件を変更した時です。これには人(Man)、設備(Machine)、材料(Material)、方法(Method)の4点(「4M」)があります。この「4M」の変更があった時は、初品検査を必ず行い後工程はしばらくの間は十分注意を払って製品をチェックします。これを初期流動監視と言います。
この監視するタイミングは、生産立上がり(初めて)、製造条件変更(変更)、再稼働 (久しぶり)があります。これを「3H管理」といいます。
4Mは変化する要素、3Hは変化するタイミングです。そこで4Mと3Hを組み合わせると下表のようなマトリックスができます。このマトリックスに従って、変化点管理を行います。
定常業務のなかに上記のような要素があらわれた場合、マニュアルに定められた以外のチェックを追加することで、想定していなかった品質トラブルを未然に防ぐことに役立つと思います。