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仕事のすすめ方 No.58

6-14.原価意識

営利組織であるわたしたちの会社は、利益を出し続ける必要があります。利益が出なければ、いくらいい経営理念を掲げ、お客さまの役にたつモノやサービスを提供していても、会社が続けられません。利益はわたしたち人間にたとえると水や食べ物と同じです。それがないと生きられないのです。

 

利益とは、おおざっぱにいうと、売上からかかった経費を差し引いた残りです。利益をたくさん出すためには、経費以上の金額を売り上げるか、同じ売り上げならば、できるだけ経費を少なくする必要があります。

 

ほとんどの企業では、経費のなかでもっとも構成比率の高いものは「人件費」です。人件費とは、みなさんが毎月いただいている給料などが思い浮かびますが、それだけではありません。そのほかに賞与、社会保険料の会社負担分である法定福利費、退職金や福利厚生の費用なども含まれ、概ね給料の支払い総額の20%程度といわれています。

 

たとえば、月の給料の支給総額が30万円で賞与が年間4ヶ月の社員の人件費は、

{ 30万円 × ( 12 + 4ヶ月 ) ×1.2 } = 576万円/年

576万円 ÷ ( 8時間 × 240日 ) = 0.3万円/時間

となります。つまりこの人に働いてもらうには、会社として1時間あたり3千円、1日あたり2.4万円、1ヶ月でなんと48万円の費用がかかるということなのです。

ここでみなさんに考えてほしいことは、什器備品や旅費交通費などキャッシュアウトしていくような目につくものには結構敏感なのですが、最大の経費である人件費にはもっと敏感になる必要があるということです。

 

1冊3千円の専門書があって、それを読めば、30分で解決するところ、3千円のキャッシュアウトを惜しむために自分でネットを調べたり、図書館に行ったりして結局半日かかってしまったなんていうのは、費用対効果を考えるとまったくナンセンスなのがよくわかりますよね。

 

企業活動における経費のなかでもっとも大きい比率をしめるのは、人件費である、という「原価意識」をもって仕事をすすめるための手段や経費を検討する習慣を身につけてください。