8-3.仕事に「雑用」はない
よく「こんな雑用ばかりやらされて」などといったつぶやきを聞くことがあります。ご本人にしてみれば、おそらく気乗りのしない仕事なのでしょうが、このような気分で仕事をすることはだれにとってもハッピーなことではありません。
「変えられないのは、過去と他人。変えられるのは未来と自分」とはよくいったもので、自らがコントロールできないものにフォーカスしてもロクなことはありません。
著者は「仕事に雑用はない」と考えています。なぜならば会社は営利組織である以上、ムダなことはやらないはずであり、頼まれた仕事というのは、必要性があって頼まれたので、自分がやらなくてもだれかがやらなければならないことなのです。
そうである以上、せっかく自分にまわってきた仕事ですから、その仕事を自分がすることで他人にはない付加価値を付けたいと考えますし、自分自身もなにか得ようと考えています。
会議の資料のコピーを頼まれたとします。そうしたら、どのようにコピーすれば使いやすいのかを考え、順番や方向、とじ方などを自分なりに工夫したりしてみます。また、資料の中身もしっかりと確認して、だれがどのようなタイミングで会議を行い、その際の資料はこういうものを使うのか、そしてなぜこのような資料を使うのかを考えると、さらに会議の目的や意思決定したいことなども想像することができます。
たのまれたコピーひとつで、こんなにも多くのことを知れたり、考えたりすることができるのです。ブツブツつぶやきながらただコピーをとっているよりたくさん得ることがあると思いませんか。これが毎日のように繰り返され数年たったときには、どのような差になっているでしょうか。
新卒の同期で入社しても30才くらいでその先がわかってくるといわれています。このようなことも大きく関係していると筆者は感じています。