8-7.経験の大切さ
「なにごとも経験することが大切である」みなさんが口をそろえておっしゃることですが、これだと経験の少ない若手のみなさんはどうすればいいの? ってことになります。しかし経験とは、単に経験だけすればいいということではないと考えています。
そもそもなぜ経験が重視されるのか、そこから考えてみたいと思います。人間ははじめてのことで、予測がつかないと不安を感じます。これからなにが起こるのか、起こったことに対して自分の能力で対応できるのか、失敗をしないか、恥をかかないかなどさまざまなマイナス要素を考えてしまいます。
しかし、一回でも経験したことがあると、だいたいの予測がつき、今後起こることが想定でき、起こるであろう出来事に自分の能力で対応できるかどうかの予測もつきます。
対応できなければ対応できるよう準備をしますし、どのような失敗の可能性があるかを考え、恥をかかないようにします。マイナス要素が予測されるのであれば、それに対する準備をするのです。

そのように準備をすることで、同じ結果になるわけではないのに落ち着くことができ、緊張度合いが軽減されます。要するにしっかりと準備ができているので、はじめてのことよりも成功する確率を高めている。このような行動が、経験していることで可能になるのです。
そのように考えると、経験のない仕事に対する取り組み方が見えてきます。上司や先輩から話を聴いて疑似体験をすることで同じ行動がとれるようになります。そうすることで、なんら情報のない状態からくらべれば準備度合いは各段にあがり、緊張度合いも軽くなるでしょう。それでも自分が体験し学習した場合にくらべれば足りず、なので経験した方がいい、ということになるのだと思います。
ということは、経験してもなんら準備をしなければ、その経験は役にたてていないということになります。経験をどのように活かすのか、中堅になるころに目に見えて差がついてくるポイントだと思います。