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IVYおじさんの創業日誌

制度提案

先週人事制度の構築を依頼されたクライアントへ内容の提案を行った。提案は初回のヒアリングならびに関連資料をいただき、それを分析した結果を踏まえ行った。

 

ヒアリング時のBlogにも書いたが、こちらのクライアントさんは、すでに評価制度を自前でつくり、それを人材育成のために運用しており、うまくいっているとのことであった。

 

blog.houkoku-doh.com

 

ヒアリング後に評価シートを送ってもらい、詳細に内容を確認したのだが、これがお見事!というレベルの完成度であった。

 

評価項目群も成果評価、能力評価、情意評価というベーシックな項目で構成されており、能力評価群のみ職種別になっていた。

 

さらに、格付けにあたるレベルも数段階に区分されていて、しっかりと自身の専門性を磨いた先に、どのようなキャリアが待っているのかを想像できる内容になっていたのにはおそれ入った。

 

この評価シートは、現状処遇に連動しておらず、人材育成のみに使用しているとのことであった。

 

今回の依頼内容は格付制度や昇格、報酬制度を整備し、評価制度と有機的に結び付け、報酬をロジカルに決定、運用していきたいというものであった。

 

その内容はいたってベーシックなものであるのだが、今回の案件は人事制度の構築という観点から見ると、評価制度がすでにでき上っており、もっともキモとなる部分以外をつくっていくミッションだ。

 

人事制度のなかで社員に対する会社の考え方がもっともあらわれるのが評価制度である。そして運用がいちばんむずかしいのも評価制度なのだ。

 

 

どんなに精密ですばらしい目的をかかげた人事制度をつくっても、現場で評価者である上司と部下の間で行われる人事評価の運用がうまくいかなければ、その制度は失敗である。

 

評価制度の運用は会社が社員に発するメッセージそのものである。なので、運用次第で社員をやる気にさせるような動機づけができるし、逆にまったくやる気を失ってしまう可能性もある。

 

要するに導入した企業の社長以下全社員が、評価制度の目的と内容をしっかり理解して、社員自身が成長し、その結果会社も成長するためのツールとして使いこなせるかどうかに掛かっているのだ。

 

評価制度の目的を「人材育成」とハッキリ答えられるのは、人事メンバーでもかなり怪しい会社も多い。

 

そんな中で評価制度を自前でつくって、それを人材育成のツールとして活用しているのが今回のクライアントさんである。評価制度の本質をしっかりと理解しており、人事制度を入れても間違いなく成功するパターンだ。

 

こういう仕事は実に楽しい。がんばればがんばるほど、いい結果にダイレクトに結びつく。

 

今回の案件はスケジュールがタイトではあるものの、クライアント企業が次のステージに行くために欠かせないツールになるよう、しっかりとお手伝いしていきたい。