絶対にやってはいけない「セルの結合」
AIの進化によって、Excelデータの活用範囲は劇的に広がっている。これまで自己流で入力していたデータも、AIに読み込ませることで、あっという間に分析や集計が可能になった。
しかし、AIがデータを正しく理解するためには、私たち側にも守るべき「お作法」があるのだ。
その中でも、特に避けるべき「最大の敵」は、セルの結合だと言える。表の見た目を整えるために、ついついセルの結合機能を使ってしまう読者も多いだろう。たしかに、結合すれば見栄えは良くなる。しかし、AIはこの結合されたセルを「一つのデータ」として正しく認識することができない 。
結合したセルを含むデータで分析や並べ替えをさせようとすると、AIは戸惑い、高確率でエラーを吐き出してしまうのだ。これは、データとしての構造が壊れてしまっているためである。
AIの力を最大限に引き出すには、見た目の美しさよりも、データの構造的な正しさを優先しなければならない。AIは、ルールに沿って整えられた、一貫性のあるきれいなデータが大好きだ。
セルの結合は、AIだけでなく、将来の自分や他の人がデータを見たときにも、混乱やミスの原因になりかねない。「値のみ貼り付け」を結合セルに行おうとした際にもエラーが発生するように、セルの結合はExcelの基本機能から見ても「禁じ手」とも言えるのだ。
見た目よりも構造を重視する。これは、Excelだけでなく、AI時代のデータ作成における基本中の基本だと心得ておきたい。