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人事屋修行記(第202話)

会社の目的

会社設立にあたってもっとも基本となるのは定款である。これは会社そのものを定義するルールのいちばんおおもとである。国の法律でいえば憲法のようなものと思えばイメージしやすい。

 

この定款をつくるにあたって、いちばん悩むのはやはり会社の目的だろう。この内容によって会社ができる事業活動が定義されるのである。

 

店主のような人事屋さんは「会社の目的」などというとすぐに、組織開発の視点から経営理念や社是を思い浮かべる。それはそれで非常に重要なのであるが、定款に定める目的も別な意味でとても重要だ。

 

よく「定款にはあとからなんでもできるように可能性のある事業はすべて盛り込むべし」なんて聞くことがあるが、要注意である。

 

 

無事登記が完了し、次は法人名義の銀行口座を開設となるが、近ごろは犯罪の温床になるらしく、法人名義の口座開設にはかなり厳しい審査があるそうだ。

 

なかでも定款は必須の提出書類であり、その中に記載されている「目的」が、あれもこれもと多岐にわたっていると、何の事業で稼いでいきたいのかが分からず、執拗に質問されたり、場合によっては怪しまれて審査が通らない可能性もあるというのだ。

 

シンプルかつ将来の発展性も踏まえて目的を考えていかなければならない。

 

参考書にある要件の適法性、営利性、明確性を踏まえ、将来思わず成長することを期待しつつ、店主なりに目的をまとめてみた。

 

とまあこんな感じである。人事のコンサルと労務管理のコンサルがいったいどう、なにが違うのか?と突っ込まれそうではあるが、そこは店主のこだわりであった。

 

店主は30年近い人事畑経験の中で、半分くらいは労務畑を歩いてきた。なので自分では得意領域ではあるものの、あまり前向きな仕事ではないことが多いので、どちらかといえば人事の方が好みだ。

 

これから世の中が大きく変わっていく中で、これまでの日本式労務管理を中心とした人事部門では経営者の要求に応えていくのは難しいと思う。経営目標が達成されるための人事でありたいと考えて目的の書き方にもこだわり、あえてわけることにしたのであった。