集計行・集計列(小計・合計)を設けない
Excelで表を作成するとき、各月の売上の区切りに「小計」を入れたり、表の一番下や右端に「合計」を入れたりするのは、ごく当たり前のことである。人間が目で見て確認したり、紙に印刷して報告する資料であれば、一目で結果がわかる親切なレイアウトだからだ。
しかし、AIにデータを読み込ませて分析させる場合、この「親切」があだとなる場合もある。AIはデータを上から順に読み込んでいく際、行にある数値が「個別のデータ」なのか、それらを足し合わせた「合計」なのかを区別せず、すべて対等なデータとして処理してしまう恐れがあるからだ。

最悪の場合、合計値も一つのデータとしてカウントしてしまい、全体の集計結果が倍になってしまうという笑えないミスが起こる。AIにとって、途中の小計や末尾の合計は「ノイズ」でしかないのである。
AIに渡すデータは、あくまで「事実の羅列」であるべきだ。計算や集計は、データを読み込んだ後にAI側で行わせればよい。もし人間が見るために合計が必要なら、AIに渡すデータ用シートとは別に、集計用のシートやピボットテーブルを作成して表示させるのが正解だ。
「表=集計表」というこれまでの常識を捨て、「表=データベース」と捉え直すことが、AI時代には求められているのである。