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HD創業日誌

消費税

第5期の決算書が手元に届いた。数字に目を通すと、残念ながら前期は若干の赤字であった。とはいえ、前期はいつもお世話になっている馴染みのクライアントさん以外の仕事はほとんどしていなかったので、この結果は当然といえば当然である。

 

決算書と一緒に、いつもお世話になっている税理士から納税に関するお知らせメッセージが届いた。法人住民税の均等割については、事業が赤字だろうが黒字だろうがかかってくるお馴染みの税金であり、方告堂の規模だとトータルで7万円程度である。

 

ここまでは想定内であったが、今回はさらに結構な額の消費税を納めるよう連絡をいただき、少しばかり肝を冷やした。金額にして、およそ会社員の手取り1ヶ月分くらいに相当する。

 

税理士からのメールには説明が書かれていたものの、一読しただけではよくわからなかったので、店主なりに色々と調べてみた。どうやら、2期前の売り上げが1千万円を超えているということで、私は国から一人前の課税事業者として認定され、2期遅れで売上高に対して消費税が発生するのだという。なんと、個人の住民税以上の時間差攻撃である。

 

そもそも大前提として、インボイスに登録していると、過去の売上に関係なく必ず消費税を国に納めることになる。これはお客さんから預かった税金を国に届けるという性質のものだからだ。

 

ただし、基準期間と呼ばれる「2年前の売上高」が1千万円を超えているかいないかで、選べる計算のルールが変わってくる仕組みなのだ。店主のように2年前の売上が1千万円を超えたケースでは、基本的に2つの計算方法のどちらかを選ぶことになる。

 

一つは「原則課税」と呼ばれるもので、お客さんから預かった消費税から、仕入れや経費で自分が払った消費税を差し引いて残りを納める、基本のキッチリ計算である。これはレシートなどをすべて計算する必要があるため、少し手間がかかる。

 

 

もう一つは売上5千万円以下の事業者が使える「簡易課税」で、預かった消費税に国が定めた業種ごとの割合を掛けてざっくり計算するため、事務作業がとてもラクになるという特徴がある。

 

もし仮に、2年前の売上が1千万円を超えていないケースであれば、本来は免税事業者になれる売上だがインボイス登録により消費税を納めることになった事業者向けに、強力な特例が用意されている。

 

それは「2割特例」と呼ばれるもので、自分が経費で払った分は完全に無視して、お客さんから預かった消費税の2割だけを納めればいいという超カンタンな割引計算である。ただしこの特例は永遠に続くわけではなく、2026年9月30日までに始まる事業年度までしか使えない期間限定のルールとなっている。

 

その後は、原則課税か簡易課税を選択することになり、簡易課税を選ぶと「みなし仕入れ率50%(方告堂の業種の場合)」が適用となる。ちなみにこの簡易課税を使うためには「特例が終わって新しい年度が始まる前」までに、税務署への届出が必要だ。

 

これらの仕組みをあらためて調べてみて、店主は深く反省した。事業が黒字であろうと赤字であろうと、キャッシュはしっかりプールしておかないとたいへんなことになるのだ。税金は過去の栄光に対して容赦なく時間差でやってくる。

 

手元に資金を残すという、経営のイロハのイを痛感させられた出来事であった。普段、人事コンサルタントとしてクライアントの組織や人材のマネジメントについて偉そうに語っているが、自身の事業のキャッシュマネジメントについては、まだまだ修行が足りないようである。

 

しかし、この手痛い出費もまた、フリーランスとして長く生き残るための良き勉強代だと思うのである。さて、まずは目の前のクライアントの課題解決に全力を注ぎ、来期はぜひ黒字化していきたい。