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人事屋修行記(第217話)

電子定款認証

株式会社の憲法である定款案を作成してみた。友人から教えてもらった起業・会社設立ポータル「ドリームゲート」の会社設立キットを試してみた。これは、質問に答えていく形式で必要事項を入力していくと、定款のほか以下の13種類の株式会社登記に必要な申請書まで含めて作成してくれる便利モノである。

  • 定款
  • 株式会社設立登記申請書
  • 設立時発行株式に関する発起人の同意書
  • 資本金及び資本準備金に関する発起人の同意書
  • 設立時取締役選任及び本店所在地場所決定書
  • 払込みのあったことを証する書面
  • 委任状
  • 設立時取締役就任承諾書
  • 印鑑届書
  • 印鑑カード交付申請書
  • 印鑑証明書及び登記事項証明書交付申請書
  • 株主名簿(設立後の税務署などへの届出)
  • 設立時貸借対照表(設立後の税務署などへの届出)

smabi.dreamgate.gr.jp

 

 各申請書のフォーマットに会社名や申請者名など必要事項が自動的に書き込まれ、印刷できるようになっており、一番多いパターンの株式会社で取締役会非設置、現物出資なしなど、制約条件はあるものの非常に便利であった。

 

しかし、肝心の定款については、店主の好みの文体ではなく、定型パターンからも少々外れることから、定款のみ自分でフォーマットを決めて、参考書にしている「会社設立のしかたがよくわかる本」の定款サンプルを参考にすることにした。

 

定款の認証自体は、公証役場に定款を提出し、内容が要件を満たすかどうか確認し、さらに定款の作成者である発起人が、その人であるかを確認して法的なお墨付きを与える行為である。

 

ただ、司法書士などプロではなく、素人の個人が認証にくることも多いようで、内容の間違いなどを事前にチェックしておき、認証行為自体はスムーズに進められるよう、どこの公証役場も事前チェックを行っている。

 

店主も定款の事前確認をしてほしい旨の電話をすると、「だいたい手直しがあるはずなので、まずはメールで定款案と印鑑証明書を送ってください」とのこと。さっそくHPにあるアドレスに書類を送ることにした。

 

電話では、2つの書類を送るように指示されたが、参考書によると、定款認証が前提の事前チェックの際に「実質的支配者となるべき者の申告書」も一緒に送るよう書いてある。この申告書は会社を設立する人物が反社でない確認をしてもらうためのものであり、申告書を提出すると、定款認証と並行して確認を行うようである。これは問題がなければ出して終わりという書類のようであった。

 

この申告書はメールで一緒に送るので、申告者本人が作成したことを証明するために、記名捺印または記名+電子署名が必要とのこと。事前に準備していたアクロバット+署名プラグインで電子署名をした。ちなみに申告書のフォーマットは日本公証人役場連合会のHPからダウンロードできた。

 

まず、Wordで作成した申告書をPDF形式で保存する。それをアクロバットDCで開き、ツールバーの下にあるメニューの「証明書」をクリック。

 

つぎに、PDF文書に実際に印鑑を押すように、捺印する場所を範囲指定すると、パスワードを入力するダイアログが立ち上がり、パスワードを入力して完了。

 

 

そうすると、印影の代わりの朱色のスタンプが貼り付けられ電子署名の完了であった。

 

電子署名なのに、印影までつけなくてもいいと思うのだが、これも日本らしい形式である。今後印鑑が廃止になると、この印影も変化していくかもしれない。

 

定款案などをメールで送ると、1時間もしないうちに返信がきた。電話口での話しぶりでせっかちな、かくしゃくとした元法曹人という印象を受けたが、そのとおりでメールの返信も速かった。仕事をお願いする立場では、ありがたいことであった。

 

メールには短い文章で「このままで結構です」とあり、一発OK。ガッツポーズである。そして「テレビ電話方式での認証は、書類を郵送したりと時間がかかるので、来場の検討を」とのことであった。せっかくの公証役場からのアドバイスなので、ありがたく受けることにして受取りに行くことにした。

 

さて、今度は本番用の定款の電子署名と送付である。これは以前悪戦苦闘した「申請用総合ソフト」を使って定款案をPDF化して、電子署名を付与し、ソフト上で申請するのである。

 

今回は学習したので、まずはマニュアルをダウンロードして読むことにした。でも百ページ以上もあるマニュアルを全部印刷して読んでいたら日が暮れる。該当部分に絞り込んで手順を確認した。

 

こちらのソフトはさすが法務局へのさまざまな申請や書類の請求にも使えるようになっていて、使い勝手はかなりよかった。マニュアルで手順を確認したせいか、すらすらと処理がすすみ、あっという間に申請できる状態までになった。

 

これならマニュアルを読まずとも直感的に使えそうだと一瞬思ったが、段取りをきちんとしたからこそスムーズに行ったと思い直す。

 

システムで申請を送信し、公証役場に出向く候補日と定款送信の旨をメールし、認証日時を調整して完了である。公証役場は公証人が一人でやっていることも多いようなので、事前のアポは必須という感じであった。ましてこのコロナ禍ではなおさらのことであった。

 
アポを取付け、無事定款認証の申請完了である。当日が楽しみであった。