生成AIの威力
2月から新しいクライアントさんの人事制度構築のお手伝いをしている。格付け、評価、給与とほぼフルスクラッチの案件で、来年の4月スタートという1年以上にもわたるプロジェクトである。
なにごとをすすめるにも、まずは現状把握が大切であり、人事制度でも変わりはない。そこでまずは、現場で日々働かれている社員のみなさんにヒアリングを行った。これも定石である。
今回のヒアリングでは、事業部長クラスから一般社員まで約30名弱の方々にお話をうかがった。1回あたりの時間は45分。15分のインターバルで次々とヒアリングを繰り返した。
プロジェクトにはクライアントの社員の方々にも入ってもらっており、そのメンバーの協力をもらって、スケジュール調整をしていただいた。
ヒアリングを行うにあたっては、ますは全社員に対し「人事制度を見直します」という宣言とその理由や背景、ゴールとすすめ方などを事前にきちんと説明をして理解をしてもらわなければならない。
その説明が中途半端だと、会社が目指していることがきちんと理解されず、なにか社員にとって不都合なことなどをやろうとしているのでは?と思われてしまう。人は情報が不足していると、不安になって悪い方向に考えがちなのだ。
45分×30名で約20時間強のヒアリング内容をまとめるのだが、今回は生成AIの威力を見せつけられた。

これまでであれば、ヒアリングもたいへんだが、その結果をまとめる作業に膨大な労力と時間を費やしていた。それが、一瞬でまとめてくれる。それもプロンプトの入れ方次第で、単なる文字起こしから、事実の抽出、カテゴリー分類や課題の抽出まで自由自在である。
ヒアリング結果を課題としての切り口からまとめたものをExcelにまとめたのだが、「現状」、「具体例」、「課題」、「方向性」をカテゴリーに分類した。約130もの課題が抽出された。
この手間と時間は掛かるものの付加価値を生まない作業から解放されたのである。店主はこれら課題について、ヒアリング結果との整合性を確認し、あとはそれら課題とされたものから導き出される「真の課題」を特定し、それに対する打ち手を検討するという仕事に時間を使うことができるのである。
まもなく生成AIを使い始めて10ヶ月。今回ほどパワーを感じさせられたことはない。というよりようやく真価を発揮するような使い方をしたのかもしれない。
こうなるとますます、いまやExcelなしでは事務仕事は考えられないのと同じように生成AIがポジションをとっていくのは間違いない。
と同時に、日進月歩で使い勝手がよくなっていくAIエージェントについても、いまから使いこなして行かないと追いつかないAI格差をつけられてしまうと痛感させられたのであった。