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IVYおじさんの創業日誌

ハラスメント

クライアント企業から相談される内容でいちばん多いのはハラスメント案件である。これはコンサルタントになってからというわけではなく、会社員時代も同じであった。

 

ハラスメントとは、英語の harassment からきていて、直訳すると「悩ますこと、いやがらせ」という意味である。これが日本語として使われるようになり、広義では人権侵害などの意味にも用いられるようになった。

 

最近はさすがにセクハラは聞かなくなった。一方でパワハラはなかなかなくならない。お話しをうかがうと、いまだにそんな行動をとっているのか?と首をかしげたくなるような事例もある。

 

どのクライアント企業でもしっかり研修を行っており、少なくともどのような行動や言動がパワハラにあたるのかは、理解しているハズである。であるにも関わらずなくならないのはなぜか。店主は2つの本質的な理由があるように思えてならない。

 

ひとつは「変化に対応することができない」人が引き起こしているのだ。「自分が若手のときにはこのくらいふつうだった」とか「ずっとこのスタイルでやってきているだけ」といったパターンである。

 

 

進化論を持ち出すまでもなく、変化に追従できない生物は淘汰されていく。ハラスメントも同様である。変化に対応できなければ、そこに待っているのは退場だけだ。

 

二つ目はもっと本質的なことだ。相手へのリスペクトが足りないのである。同じ組織の仲間として目的を達成するために協力してことにあたる。目的を同じにして集まった仲間なのだから、リスペクトする気持ちが自然と生まれるはずである。

 

リスペクトできないのは、目的達成指向が足りない、ようするに仕事をしていないか、もしくは相手より自分が勝っていると勘違いしている傲慢さがあるからだ。

 

目的に向かって必死になっているのであれば、相手の能力や出来映えがどのようであろうと、少しでも目的を果たすことに近づくために、なんとかいい方法はないか、と一緒に考え寄り添うはずである。

 

競争相手は部下や同僚ではない。社外のコンペチタ―である。目的を達成し、激しい競争環境を勝ち抜くためには、内輪もめしている時間はないのである。

 

それから人間は感情の生き物ともいわれる。これまで書いてきたような本質を理解したとしても、自分にも相手にも気持ちがある。ロジックは間違っていなかったとしても、相手がいまどんな気持ちか、をあわせて考えないと、期待する行動にはつながらない。

 

形式的なハラスメントの知識付与だけでなく、変化への対応、リスペクトそして相手の気持ち、これらをしっかりと社員に伝えていくことがポイントになるのではないだろうか。

 

ほんとうにハラスメントなどやっている場合ではないと思うのは店主だけであろうか。