Cafe HOUKOKU-DOH

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人事屋修行記

方告堂店主がどのように人事屋としてのキャリアを積み重ねてきたか、日経新聞の「私の履歴書」風にご紹介していきます。 これから人事のキャリアを積み重ねていこうという方にはキャリア検討の参考に、就活している学生さんには、こんな仕事もあるのだという仕事研究に、そして経営者の方には、方告堂のレベル感を評価していただく(汗)、そんなカテゴリーです。 人事屋としてのキャリア30年を連載で振り返っていきたいと思います。 ■更新日:毎週月曜日

人事屋修行記(第167話)

就職活動 3週間の幕末維新の旅から戻り、ようやくそろそろまじめに就職活動をしなければという気分になってきました。さっそく再就職支援会社のカウンセラーと面談すると、4月に声を掛けていてくれた当社がまだ空きがあって面接したいと待っていてくれた様…

人事屋修行記(第166話)

幕末維新の旅 5月連休が明け、2回目のハローワークでの手続きを終えた直後から、その旅はスタートしました。予定したスケジュールはまるまる3週間。万が一のことがあって帰るのが遅れてもいいように、4週間目には帰るように計画を立てました。 計画とい…

人事屋修行記(第165話)

再就職支援 退職した翌日に社宅を引き払って仙台の自宅に戻ってきました。社宅の荷物は新しい仕事先が決まるまで、とりあえず客間に仮置きしておくことに。翌日早速再就職支援会社のガイダンスを受けました。 ガイダンスをはじめ、さまざまな説明はスケジュ…

人事屋修行記(第164話)

退職 2月上旬に申請書を出した店主は、人事部長として出席する主要会議からはすべて外れ、3月末の退職まで居心地の悪い毎日を過ごすことになりました。人事部長としての引継ぎなど、せいぜい半日もあれば終わってしまいます。 有休消化も考えましたが、毎…

人事屋修行記(第163話)

プロジェクト(7) 申請書を出した情報は社内に一気に広まりました。すぐさま上司の管理本部長が飛んできて、説得をされましたが、スミマセンの一点張りで面談終了。次に飛んできたのは、一緒にプロジェクトをやっていた元生産企画の執行役員でした。彼はビ…

人事屋修行記(第162話)

プロジェクト(6) 早期退職の応募者は4百名の目標人数に対して、260人ほどしか応募がありませんでした。店主としてはある程度想定内の数字だったので、さてこれからどうやって数字を積んでいくかと考えていると、プロジェクトを一緒にやっていた元生産企…

人事屋修行記(第160話)

プロジェクト(4) 年末年始の休みは、大みそかと三が日以外は毎日個別相談窓口を開きました。大勢が参加する説明会では他人のいる前でなかなか聞きづらかったり、一旦説明を聞いて理解したつもりでも、自宅に帰ってゆっくり考えてみると、さまざまな疑問が…

人事屋修行記(第159話)

プロジェクト(3) 12中旬の土曜日、栃木の研究所に役員全員を招集しました。事前に会議内容を伝えることもできないため、あえてギリギリの一週間前に社長命令で重要会議を設定するというだけの内容で休みの日に役員を集めたのでした。用事のあった役員も無…

人事屋修行記(第158話)

プロジェクト(2) このプロジェクトの実働部隊は、元生産企画部長の四輪事業企画担当執行役員と同じく元生産企画の主任技師、それから人事企画で労組窓口を担当している主任と店主の4名でした。まずは4人で集まって早期退職プログラムの実行を判断する経…

人事屋修行記(第157話)

プロジェクト 人事部長になって2年目の2015年秋、そのプロジェクトは静かに立ち上がりました。当時社内では極秘のプロジェクトが3つ動いていて、事業部を主体とした協業やM&Aを検討する案件が2つ、そして3つ目が店主に白羽の矢が立った国内事業の立て直…

人事屋修行記(第156話)

グローバル人事責任者会議 前々職の会社は自動車業界でしたので、わが国の産業の中でも海外進出が早い方で、2015年当時はすでに海外に30拠点以上の工場がありました。自動車は1台あたり2〜3万点という部品から構成されていて、完成車工場が進出すると一緒…

人事屋修行記(第155話)

世間標準 2015年当時、前職では製品不良や仕損品の未処理、客先からの監査指摘などが頻発し、問題となっていました。どの案件もその原因を紐解いていくと、作業標準どおりの作業が行われていなかったり、ルールどおりの処理がなされていないなど、決め事が守…

人事屋修行記(第154話)

女性初駐在 2015年当時、前々職ではメキシコに工場を作ってインジェクターという燃料噴射弁の生産を立ち上げていました。インジェクターはガソリンを霧吹きのようにエンジン内に噴射するのですが、その噴射のコントロールはエンジンの回転に合わせて、毎秒30…

人事屋修行記(第153話)

企業倫理改善提案窓口 コンプライアンスへの高まりを受けて、前々職の会社でも「企業倫理改善提案窓口」という内部通報の受付窓口を設置していました。会社の業績を左右するような重要な仕事ではない一方で、相談内容への対応を間違うと、会社存続の危機に発…

人事屋修行記(第152話)

オルグ 前職の会社では、海外オルグといって、労働組合の執行部と人事メンバーで海外駐在員の仕事や生活実態の確認を目的に海外拠点を訪問するイベントを定期的に開催していました。海外拠点は30カ所以上あるので、3つの地域に分けて各拠点3年ごとにまわっ…

人事屋修行記(第151話)

昇格審査 店主が人事部長となったと4/1付けで、人事係長を店主と同い年のベテランから若手有望株の女性にバトンタッチしました。彼女はもともと営業志望で入社したのですが、営業部門で活かしきれずにいたところを人事で引き受けてきてもらったのでした。 子…

人事屋修行記(第150話)

経団連 前々職の会社は、親会社のお付き合いで経団連に加入していました。会員企業全体での定期的な会合があり、各社社長に対し出席案内が届きます。ほとんどの会社では、このような定例会合にトップが参加することはなく、代理の社員が出席をしています。 …

人事屋修行記(第149話)

立替金残高 前々職では給与計算の部隊も社内に持っていて、国内単独4千名と駐在員2百名分の給与計算を行っていました。メンバーは係長以下6名で毎月の給与計算から賞与計算、給与改定、社会保険の得喪、それから厚生制度の運営と手続きまで幅広く行ってい…

人事屋修行記(第148話)

バースデーメッセージ 人事部長になったことは、自分の組織運営をあらためて考えてみる機会になりました。店主がたどり着いたのは、部長と課長でマネジメントにおいて一番違うところは、メンバーに直接働きかけるのではなく、課長を通じて仕事を進めて成果を…

人事屋修行記(第147話)

フィロソフィー 人事部長になってまず、手を付けたのは、以前から課題感を持っていた経営理念の共有を強化することでした。経営理念については、1997年の三社合併時に作り直したフィロソフィーと呼ばれる経営理念があり、合併が落ち着いた2001年に当時の次世…

人事屋修行記(第146話)

人事部長 秋口に受けた外部アセスメントや役員面接も無事に通過し、部長クラスの等級への昇格の内示をもらったのが、12月の半ばでした。これまで2年近く部長はやってきてはいたものの、会社から正式に部長の能力を認められ、やはり素直にうれしいと同時に、…

人事屋修行記(第145話)

春闘 前職では、ショップ制の労働組合があったため、夏冬の賞与は毎年、2月から3月にかけての春闘の場で、労使で交渉をして決めていくスタイルをとっていました。当時、労働組合の全社の窓口は、店主の担当していた人事企画室となっていて、店主は労組担当…

人事屋修行記(第144話)

経営アセスメント 昨年の部長昇進一年目には、昇進試験の候補に選ばれなかったので、今年は声がかかるかと、期待半分、不安半分で毎日を過ごしていました。人事の立場としては昇進試験というものは実に微妙で、チャレンジして実力を試してみたい一方で、事務…

人事屋修行記(第143話)

協業検討プロジェクト 2013年の秋、匿名のプロジェクトにお誘いがかかりました。4つある事業のうち、車載用空調事業で国内の同業メーカーと協業を視野にフィジビリティスタディを行うということ。若い頃からこの手の案件にはことごとく呼ばれていましたが、…

人事屋修行記(第142話)

役員退職金廃止 前年に執行役員制度を導入したのですが、世の中はスチュワードシップコードや監査等委員会設置会社導入への会社法改正など、日本の周回遅れのガバナンスを強化する動きが強まっていた時期でした。社長や管理本部長の関心もとても高く、執行役…

人事屋修行記(第141話)

本部週次ミーティング 本部長が交代してまず変わったことは、毎週本部の全部長との週次ミーティングが開催されるようになったことでした。前任の本部長は、そのような時間を一切設けず、必要な指示は個別に都度行うタイプの人で、毎週開催されている役員ミー…

人事屋修行記(第140話)

本部長交代 前々職の会社は、大手自動車会社系列の部品メーカーで、規模もグループ内では一番大きかったので、主要な役員は親会社から転籍してくることが通例となっていました。ポジションとしては社長以外に番頭役の管理本部長、クルマの性能を左右する機能…

人事屋修行記(第139話)

幹部研修 突発性難聴自体は、順調に回復していったのですが、一方で落ち込んだ気分はまったく治っていきません。いままで一番自信を持っていたハードワークへの耐性という能力が根底から崩れたのですから無理もない話しです。そんな時期に幹部研修への参加指…

人事屋修行記(第138話)

突発性難聴 2012年は部長に昇進して1年目。当然、昇格審査チャレンジの声が掛かるかと気になるところです。一方で隣の総務部長もまだ課長級の等級で、こちらは昇格審査チャレンジの年令ギリギリ。店主は当時45才とチャレンジには年令的にまだまだ余裕でした…

人事屋修行記(第137話)

事業譲受2 事業譲渡による転籍者の受け入れは、およそ10年前に沖電気さんのカーエレ事業部を受け入れた際に担当していましたので、なにをどのような手順で進めていくかのイメージは頭の中に入っていました。なので、TODOリストとスケジュールはあっさり完成…