Cafe HOUKOKU-DOH

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人事屋修行記

方告堂店主がどのように人事屋としてのキャリアを積み重ねてきたか、日経新聞の「私の履歴書」風にご紹介していきます。 これから人事のキャリアを積み重ねていこうという方にはキャリア検討の参考に、就活している学生さんには、こんな仕事もあるのだという仕事研究に、そして経営者の方には、方告堂のレベル感を評価していただく(汗)、そんなカテゴリーです。 人事屋としてのキャリア30年を連載で振り返っていきたいと思います。 ■更新日:毎週月曜日

人事屋修行記(第134話)

部長昇進 2012年4月発足した人事企画室は、店主を含めて室長以下4名、フィリピン現法を閉めて帰ってきた50代後半の室長と、課長クラスの専門職、それからベテランの派遣女性というメンバーでした。 室長は、人事畑一筋の方で、合併後は当時の人事企画室メ…

人事屋修行記(第133話)

執行役員制度 人事企画室への異動後、最初の大きな企画は、執行役員制度の導入でした。前々職では、1997年に系列のグループ3社が合併して取締役が30人を超え、経営の効率化による合併効果を狙い、当時流行り始めていた執行役員制度を導入しました。 しかし…

人事屋修行記(第132話)

稼働日変更 東日本大震災では、電力不足が深刻となり、地震の直後は計画停電などが実施されました。その後、計画停電は行われなくなったものの、関東地方は夏場に向けて電力不足が予想され、政府から各業界団体へ節電への協力要請が行われました。自動車業界…

人事屋修行記(第131話)

ルネサス支援 東日本大震災では多くの企業が被災し、サプライチェーンが寸断されました。前職の自動車業界も同様でしたが、なかでも深刻だったのは、車載用コンピューターの心臓部分であるマイコンに使う半導体工場が被災したことでした。 ひたちなか市にあ…

人事屋修行記(第129話)

復旧作業 地震の翌日、電車が動くのにあわせて宇都宮への移動を始めました。鉄道の動きが悪く、結局赤羽からタクシーで丸一日かけて宇都宮へ戻ることに。宇都宮の社宅は驚くほど何もなかったようにそのままで、唯一観葉植物が一つ倒れていたくらいでした。 …

人事屋修行記(第128話)

39階 3月10日の木曜日。店主と総務課長は役員秘書3人の息抜きを兼ねて、宇都宮駅東口の焼肉屋で食事会を開いていました。3人のうち2人はかなりの酒量。店主もそれに引きずられ、結構な量のお酒を過ごして帰宅しました。翌日は4月からの人事企画室立ち上…

人事屋修行記(第127話)

人事企画室 栃木の研究所に転勤して半年も経たない2011年のはじめ、人事企画の専任部署を立ち上げるという話しが持ち上がりました。人事の企画専任として8ヶ月やってきたわけですが、企画の専任メンバーを置いたことが、思いのほかテーマが進むことに気をよ…

人事屋修行記(第125話)

本社機能集約 前職の本社は新宿のオフィスビルにありました。置いていた機能としては、総務、法務、広報、人事、経理、財務、連結事業管理などで、一番多いときで40名ほどのメンバーがいました。 BtoBメーカーでは、本社機能は対外的なつながりから東京にあ…

人事屋修行記(第124話)

内部通報 企画担当になったものの、人事課長時代に担当していたいくつかの仕事は、後任の課長にすぐに引き継ぐのは荷が重いと、当面の間担当することになりました。その中には従業員の賞罰に関する仕事がありました。 従業員に就業規則に定める懲戒規定に抵…

人事屋修行記(第123話)

ノート 店主は入社以来、システム手帳をずっと使い続けていますが、最近はもっぱらスケジュールの管理と、つねに携帯しておきたい資料を綴じるために使っていて、仕事でのメモやアイデアの整理にはA4版のノートを使っています。 課長時代までは、実務のTO DO…

人事屋修行記(第122話)

企画業務 人事課長を外れ、企画業務の専任になったわけですが、正直いってどのように進めていけばいいのかさっぱりわかりませんでした。 それまでの店主は、入社以来ずっと人事労務の実務担当として仕事をしてきました。自分で長期の計画を立てなくとも、実…

人事屋修行記(第121話)

専門職 2010年4月の定期人事異動にあたり、上司の常務取締役管理本部長から呼び出され、人事課長を外れて人事課付きの専門職を命じられました。 人事課長を2年間やってきたのですが、管理本部長からさまざまな企画テーマを命じられていながら、まったく対…

人事屋修行記(第120話)

やまと 2009年当時は3回目の単身赴任で、まだ体力も気力も十分だったので、夜は食事を兼ねてよく飲みに行っていました。当時前職の本社オフィスは西新宿の高層ビルにあり、飲むとなるとビル内の飲食店が中心でしたが、変り映えがしないことと、コスト面であ…

人事屋修行記(第119話)

NHK 2009年当時、店主は人事課長として、組織人事、任免、評価、昇格そして採用と広い範囲を担当していました。当時はリーマンショックによる景気の冷え込みで、一時的に新卒採用は落ち込んだものの、各社は単純な人数の絞り込みはせず、厳選採用という方…

人事屋修行記(第118話)

はたらく勉強会 採用部門の係長をやっていたときに採用イベントなどで知り合い親しくなった他の会社の人事担当者とは、定期的に飲みに行ったり、温泉旅行やBBQなどで楽しくお付き合いをしていました。そんな中、人事の専門性を磨いていくために、まじめな勉…

人事屋修行記(第117話)

上司 店主は2006年に課長になったわけですが、本社人事に行ってからずっと5つ年上の先輩と二人三脚で仕事をしてきました。その先輩には採用面接もしてもらい、入社後も工場の人事と本社の人事という関係で、ずっと目をかけてくれ、可愛がってもらっていまし…

人事屋修行記(第116話)

工場集約3 工場集約についての会社の基本スタンスは、分散している拠点を集約して経営オペレーションの効率を上げることが目的であり、社員には原則、全員拠点異動をお願いする、ただし、家庭の事情などで異動できない場合には、転身支援の取扱いを適用する…

人事屋修行記(第115話)

工場集約2 工場集約の社内展開は、4月末の決算発表のタイミングで行われました。発表日の午前中に取締役会で決議し、15時に東証に投げ込みをします。それと同時に社内向けにメッセージを発信し、あわせて各本部ごとに本部長から部課長に対し、詳細の説明を…

人事屋修行記(第114話)

工場集約1 雇用調整の実施に見通しがついたタイミングの2009年2月、店主は管理本部長に呼び出されました。川崎と岩手の2工場を閉めて宮城の工場に集約する極秘プロジェクトをスタートするので、人事として参画して欲しいとの話でした。 川崎工場は、社名…

人事屋修行記(第113話)

雇用調整 2008年の秋、米国のリーマンブラザーズという投資銀行が経営破たんしたというニュースは見ていましたが、当時の店主はそれがどのような影響を自分のまわりにおよぼすのかまでは、想像力が至りませんでした。 今思えば、それよりさかのぼること1年…

人事屋修行記(第112話)

内定者懇親会 店主の前々職の会社は、自動車やオートバイの部品を作っている会社で、新卒採用においてはエンジニアとして機電系の学生をメインで採用していました。会社側はそんなに意図してはいませんでしたが、集まってくる学生は結果的にクルマやバイク好…

人事屋修行記(第111話)

キャリア採用 本社の人事課長として復帰し、新卒採用も落ち着いてきた夏前に事件は起きました。キャリア採用の担当者が突然会社を辞めると言い出したのでした。聞くとすでに転職先は決まっていて、退職のタイミングも変更できないとのこと。後任人事について…

人事屋修行記(第110話)

役員退任説明 人事の仕事の中には、役員の処遇管理といったあまり社員のみなさんには馴染みのない仕 事もあります。役員も当然、仕事をして報酬を受け取ったり、ボーナスをもらったりする わけですが、役員という特殊な立場のため、その仕事に関わる人はごく…

人事屋修行記(第109話)

人事部長交代 2年間の給与厚生課の建て直しに一応のメドをつけ、店主は2008年4月に新宿の本社へ転勤し、1年ぶりで人事課長に復帰しました。当時の人事課の分掌は、人事、人事企画そして採用業務を加えた広い範囲を課長以下6名でこなしていました。 リー…

人事屋修行記(第108話)

年末調整 給与厚生課の課長になってはじめての年末調整がやってきました。前々職では給与計算業務を自社内で行っていたため、年末調整は人事部にとって一大イベントでした。10月頃から綿密な計画を立て、他の業務などのスケジュールも調整しながら、年末調整…

人事屋修行記(第107話)

民事裁判 店主が2007年に給与厚生課の課長になったとき、大きな問題を抱えていました。前任の課長が規定の解釈を間違い、定年退職した社員に退職金を多く支払ってしまっていたのでした。過払いの対象者は3名、うち2名は説明して無事返してもらいましたが、…

人事屋修行記(第106話)

内部統制 2000年代に入って会社を取り巻く環境として大きく変わってきたことのひとつに、コーポレートガバナンス(企業統治)への関心の高まりがありました。それまでわが国の会 社経営においては、ともすると企業は経営者や社員のものといった感覚があった…

人事屋修行記(第105話)

社長交代 店主の当時の会社は、大手自動車メーカー系列の部品会社で、親会社の資本が4割ほど入っていました。基本的に人事制度などはまったく別であり、人の行き来も親会社からの転籍もしくはそれを前提とした出向などの一方通行のみで、人材面でのつながり…

人事屋修行記(第104話)

現場実習 2007年の新卒は以前にも書いたとおり150名近い人数を採用しました。採用人数を増やすということは、毎年繰り返しているオペレーションにも少なからず影響が出てきます。 人事管轄の仕事であれば自分たちで工夫をすればいいのですが、他部門にも関係…

人事屋修行記(第103話)

給与厚生課 2007年4月の組織人事で、店主は人事課長から給与厚生課長に異動となりました。前年度は人事課長として、組織や配置、任免、昇格、評価といった人事と、新卒、キャリア両方の採用、それと給与計算ならびにグローバル人事と、その後に3つの課で担…