Cafe HOUKOKU-DOH

~ホッとひと息的な読み物でブレイクするサイト~

【いまさら訊けない】Office基礎講座27 Wordの基本 インテント

さて、Excelもだいたいの初歩的部分は見たので、すこしWordについて触れておきたいと思う。WordはOfficeアプリのなかでも使いこなしているユーザーが少ない気がしている。それは機能が高度であり、設定に関して操作が(ほかのOfficeアプリにくらべて)直感的ではないからだという気がしている。

 

メモ代わりの平打ち程度の使い方に落ち着いていて、文章を効率よく体裁を整えたり、見やすくしたりという初歩的な機能ですら、あまり使われているのを見たことがない。

 

そこで今日は、レポートや報告書、規定など長い文章を作成する際に欠かせない文章の体裁を整える機能について、あらためて見ていきたいと思う。

 

インテント

インデントとは、「文章の行頭に空白を挿入して先頭の文字を右に押しやること。また、そのために左端に挿入された空白や、テキストエディタワープロソフトの持つ字下げ機能」のことである。単純な作文であれば改行後の書き出しは1字下げるというあれだ。

 

そのほかにも論文やレポート、規定などでは、章立てやその下の節、項などごとに書き出しの字下げなどにも使われる。また、行頭に数字や箇条書きの行頭記号などを使うときにも、2行目以降のはじまり位置を調整するのにもつかわれる。

 

このインテント機能であるが、PPTやExcelガリガリと使っている人でも、PPTのテキストボックスやWordになると使わずに、行ごとに改行して、次の行の先頭にはスペースを入れているのをよく見かける。覚えてしまえばこれほどラクな機能はないのだが、と首をかしげてしまう。

 

ルーラー

インテント機能の使い方には何パターンかあるが、いちばんのおススメは「ルーラー」を使いこなすことである。ルーラーとは「印刷レイアウト」表示にして用紙の上に出てくるスケールの左右の端についているツマミのことである。

 

もし読者のWordでルーラーが表示されていなければ、「表示」タブのリボンに「表示」グループがあるので、いちばん上の「ルーラー」をチェックする。そうするとWordの文面の上部に表示される。

f:id:HOUKOKU-DOH:20210928154226j:plain

このツマミ、全部で3つあるのだがそれぞれに名前があり、機能が設定されている。

<左側>上から

<右側>

効果的な使い方としては、作文のような単純に段落ごとに先頭の文字を1字下げるだけであれば、対象となる段落を選択して、「1行目のインテント」をつまんで1字分だけ下げればいい。ちなみにこのインテントのツマミ、「1行目のインテント」と「ぶら下げインテント」は独立して動くが、「左インテント」を動かすとそれとセットで上の2つのインテントも動く。考えてみればあたり前のことではあるが。

f:id:HOUKOKU-DOH:20210929045407j:plain

章のタイトルに対し、文章全体を1字下げたいのであれば、対象範囲を選択して「左インテント」をつまんで1字下げればいい。そのうえで段落の先頭を1字下げたいのであれば、前述のとおり、「1行目のインテント」を使う。

 

次に行頭に番号や行頭文字を使う場合だ。Wordには便利な自動の字下げ機能が装備されているが、規定などを作成する場合には、章、節、項などごとに、字下げの量などが決まっている場合も多い。そんな場合には自動字下げ機能は外してマニュアルで設定することになる、

 

たとえば章、節、項ごとに番号と全角ピリオドが振ってある文章を考えてみよう。章のスタートは字下げなし。次の節と項はそれぞれ、1階層上のピリオドのあとの文章のはじまりと番号が同じ場所からスタートするとする。

 

まず章は、1行目のインテントはそのままに、ぶら下げインテントを2文字下げる。つぎに章の下の節と項全体を範囲指定し、左インテントで2字つまり章のピリオドの後ろの文章のはじまりまで下げる。そのうえでぶら下げインテントを節のはじまりのピリオドの後ろの文字とおなじ位置まで下げる。項も同じだ。

f:id:HOUKOKU-DOH:20210928154219j:plain

この作業を節と項で繰り返すだけで文章全体のインテントがきちっとそろうのである。軽い文章ではそんなに気にならないが、論文や規定、契約書などではインテントの位置でその文書の位置づけが決まるので、この機能はありがたい。

f:id:HOUKOKU-DOH:20210928154215j:plain

なお、ルーラーのつまみをマウスで動かして設定すると、どうしても文字数分だけちょうどずらせない場合が出てくる。そんな場合は、「ホーム」タブのリボンから「段落」ダイアログボックスランチャーをクリックして「段落」ダイアログボックスを表示させる。

f:id:HOUKOKU-DOH:20210928154211j:plain

インテントと行間隔」タブから「インテント」の「最初の行」をプルダウンさせ、「ぶら下げ」か「字下げ」を選択すると、その右に字下げされている文字数が出てくる。たいてい小数点以下に端数があるので、ここを整数にしてやることで、きっちりとした字下げが実現できるのだ。ちなみに左や右のインテントもその左側の文字数を変えることで調整できる。

f:id:HOUKOKU-DOH:20210928154208j:plain

このインテント機能を使うかどうかでワープロアプリであるWordの価値がかなり変わってくる。数ページの文章であれば、使わなくてもそんなに工数は変わらないかもしれないが、数十、数百ページもの文章だと、これがないと太刀打ちできない。それほど文章作成には重宝する機能なのである。