事業戦略
起業初年度の目標は、とにかく無理をしない範囲内でビジネスを立ち上げ、2期目に単月黒字を達成するような体質づくりをすることとして、やってきた。
起業直後に3つのクライアントさんと専属人事パートナー契約という、いわばフリーランス人事部長といった立ち位置で関わる、長期契約を結ぶことができた。
そのほかにスポットで3本ほど、資料の企画、制作といったオーダーもいただき、これまでのところは、イメージより上々の成績であると考えている。
さらに先月からは「人事パーソナルコーチ」といった定期的なマンツーマンでの人事パーソンとのディスカッション、相談といった依頼もいただき、順調に立ち上げることができた。
スタート時にかかげた主要事業としては、4つの事業領域として整理し、それぞれ、組織開発、人材開発、制度構築、人事機能構築支援とした。しかし、実際にクライアントさんと対峙してみると、次から次へと出てくる課題は、幅が広く、とても前述の4つだけではカバーしきることはむずかしいことを痛感させられた。
大手のコンサルティングファームであれば、専門領域ごとにコンサルタントをアサインすることが可能だが、当社のような規模では難しい。
しかし、顧客の立場からすとる、同じ人事領域のなかで、コンサルティング会社を別々に発注するのは、よほどの大企業でもない限り、非効率である。クライアント企業の事業計画とそれに伴う人、組織課題を理解しているコンサルがいれば、いちいちそれらを説明する手間が省けるのだ。
そこで2期目の事業の方向性を「カバー領域の拡大により顧客期待へ応えること」とした。具体的には、フリーランスや副業などの専門性をもった人材と、コラボレーションをすることで、顧客にあったソリューションを提案していこうと考えている。
これまでの発想だとどうしても社員を雇って業容を拡大、となる。一方、昨今の場所や時間にとらわれない働き方や、フリーランスや副業、兼業などが拡大基調にあるため、こういった方向も現実味を帯びてきていると考えている。
先日もクライアントさんから「マネジメント研修」を当社でやってほしいというリクエストをいただいた。研修メニューの企画、制作であれば店主で対応できるのだが、研修の実施となると、研修講師は店主の守備範囲外である。
そこで、会社員時代の部下に「副業で講師」を打診したところ、こころよく引き受けてくれた。彼には委託契約で講師をお願いし、当社で研修を実施することにしようと考えている。
当社の事業展開の方針を「フリーランスがネットワークでゆるくつながり、各々の専門領域でクライアントの課題解決のお手伝いをする」と定め、2期目の事業計画をこれから考えていこうと決めたのであった。