ジャケット
IVY Note では、アイビー服装術というと、ドレス系がクローズアップされがちなので、あえて思い切りカジュアルに振ってアイテムやコーデを取り上げてきた。
リモートワークが予想以上に浸透し、自宅で仕事をする時間が増えても、会社勤めの大人の場合、最低限ジャケパン程度はコーデのなかで、いまだに外せないという読者も多いと思う。そこで今週は、アイビー的ウインタージャケットを考えてみたい。
ブレザー
アイビー的ジャケットといえば、まず筆頭にくるのはブレザーである。フランネルのネイビーブレザー、3つボタン中1つ掛け、段返りモデルを持っていることで、コーデの幅は無限大といっても過言ではないほどに広がる。
合わせるボトムを定番から考えるだけでも、グレー無地のウールパンツ、きっちりとプレスしたチノパン、ホワイトジーンズ、生成りのリー・ウエスターナー、タータンチェックのウールパンツなど、あげていくときりがないほどである。これにウールパンツの素材の変化を加味していくだけで、バリエーションがさらに増える。
さらにブレザーの色や柄を変えるとトップ側も変化できる。ビジネスシーンでも着ることができる色、柄としては、キャメル、ブラックウオッチなどが思い浮かぶ。
ヘリンボーンツイードジャケット
アイビー的ジャケットの秋冬の代表としては、なんといってもツイードのジャケットだ。ヘリンボーンという魚の骨といった特徴のある生地は、それだけで存在感抜群である。
ジャケットの仕立てとしては、ハンティングジャケットが取り上げられることが多いが、ビジネスカジュアルとしては、ちょっとスポーティーすぎる。ここはやはりブレザーと同じ3つボタン中1つ掛け、段返りのナチュラルショルダーをチョイスしたい。
ツイードのジャケットでは、胸ポケットはブレザーのようにパッチ・チェスト・ポケットではなく、スーツに使われるウェルト・ポケット、脇のポケットは、ブレザーと同じパッチ&フラップ・ポケットがいい。
そしてボタンは、ボタン全体が革で覆われたクルミボタンが、より一層アイビージャケット臭を感じさせる。
ツイードのジャケットもコーデの幅はかなりの広さがあるといっていい。英国紳士の休日ウエアのように、タッターソールのB.D.にブラックニットタイを締め、フランネルのパンツをあわせてもいいし、タイを外してシェットランドクルーネックセーターとローファーをあわせるだけで、グッとカジュアルになる。
このジャケットの存在感に負けないような、雰囲気を感じさせる大人になりたいものである。
とりあえず冬のアイビー的ジャケットは、この2種類を持っていれば、カジュアルからドレスまで、かなりの範囲をカバーできる。コストパフォーマンスに優れたジャケットなのである。