脱マウスのススメ
いまや仕事でPCをつかわないという企業は、業務特性による例外的な職種以外はほとんどないと思う。それではどの形式のPCが使われているのか。2020年のある調査結果によると、結果はノート型が8割弱と最も多く、デスクトップ型5割、タブレット型2割弱(複数回答あり)と、ノートPCがもっとも多い結果となった。
この結果は、読者のみなさんの実感値としても違和感はないところだと思う。社外に出かける営業職などはもちろん、社内での仕事がメインの職種であっても、会議室での打合せやリモートワーク、フリーアドレス化など、固定のデスク上でのみ仕事をするという環境は、コロナ禍を経て一層減り、PCのノート化に拍車がかかったといってもいい。
ノートPCの最大の利点は、その使用場所を選ばない機動性にある。14インチ以上の大型画面搭載機種などは、デスクトップの場所が移動できないデメリットを解消する意味合いで開発されていて、おもにオフィス内の移動くらいしか考えていないような、携帯には不向きな重量のものも多いが、それでもさまざまな場所で使われている。
そのノートPCのメリットを最大化するために、店主は「脱マウスのススメ」を読者のみなさんに提唱したいと思う。今週からしばらくのあいだ、マウスを使わずにノートPCをいかに快適にかつ効率的に使うためにはどのような操作を体得すればいいのかということを考えていきたいと思う。
アプリの切換え
PCで作業を行う場合、ほぼ複数のアプリを同時に立ち上げて作業をしていることがほとんどだと思う。作業の合間にはアプリ間を行き来して、コピペしたり、データを確認したりと頻繁にアプリを切換える。
脱マウスをしていく場合、当然操作はタッチパッドかキーボードになるのだが、いくら慣れてきてもタッチパッドの操作には、スピードを上げるにも限界がある。そこでポイントとなるのは、ズバリ「ショートカットキー」である。
ショートカットキーは結構な種類があり、暗記するのも面倒なものだが、実際は使用頻度の高いモノだけに絞っていくと、そんなに数は多くはない。そこで WindowsOS で脱マウスをするために最低限必須のショートカットキーを今週から見ていくことにしたい。
[Alt]+[Tab]
アプリの切換えに使うのは、[Alt]+[Tab]である。[Alt]キーを押しっぱなしにして[Tab]キーを1回押すと、画面の中央にいま立ち上がっているアプリが一覧で浮かび上がる。
その状態から[Alt]キーを押したまま、[Tab]キーを押し直すと、浮かび上がった画面上で選択されるアプリがひとつずつズレていくので、希望のアプリが選択されたところで、2つのキーともはなすと、そのアプリが画面に浮かび上がってアクティブになるのだ。
この操作は、タッチパッドはもとより、マウスでの操作と比較しても格段に速くて正確である。ただ弱点としては、立ち上がっているアプリの数が多いと、選択のために押す[Tab]キーの回数が多くなってしまうということだ。
なお、複数のアプリを立ち上げておいたなかでは、現在アクティブになっているアプリのひとつ前に使用していたアプリが、[Alt]+[Tab]キーを押すと選択肢の最初にくるように順番が入れ替わる。
なので2つのアプリのあいだを行き来するのであれば、ほかのアプリはそんなに気にはならない。しかし、PCの行儀作法からいっても、作業に使わないアプリは都度、終了させることをおススメしたい。
それが誤操作を防ぐことはもちろん、PCのメモリー消費も押さえ、効率的で高品質なアウトプットを出すための基本である。
まずは、アプリの切換えからチャレンジしてはいかがだろうか。