Cafe HOUKOKU-DOH

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人事屋修行記(第101話)

体調管理

2007年に給与厚生課の課長になったわけですが、当時の給与チームは長年にわたって業務改善がなされないまま放置され、あわせて人材育成もほぼ当事者任せで何もない状態、そこにシステム入れ替えの仕事が上乗せされ、忙しさが退職やミスをさらに増やすという完全な負のスパイラルに陥っていました。

 

そんな状況ですので、店主もプレーヤーの一人となってとにかく作業をさばいて行かなければ、仕事がとどこおる状態でした。それまでも労働時間はとにかく長い方でしたが、このときばかりは、毎月給与のしめきりという時間との戦いと、課長になって2年目でマネジメントもうまく行かず、精神的にかなり余裕のない状態でした。

 

そういうときはやはり体に現れてくるもので、夏の終わりごろから体調がすぐれないことが続くようになりました。毎日なんとなく体がだるく、食欲もなく、胃がいたかったり、胸やけがしたり、下痢が続いたりとどんどん調子が悪くなっていくのです。

 

「なにか悪い病気なのでは」という考えが頭をよぎり、ちょうど高校の同級生が塩釜の市立病院に勤めていて、同窓会のときにいつでも見てやるからと言われていたのを思い出し、行ってみることにしました。

 

病院につくと、大勢の人が待っているにも関わらず、待ち時間なしで診察してくれて、人間ドックも顔負けのフルコースの検査をしてもらいました。最後の締めは胃カメラで、友人自ら操作し、見落としがないよう医師3人体制で見てくれたのです。

 

 

「病気にはなっていない。胃腸は飲みすぎと働きすぎだね。少しペース落としたほうがいいけど、そう行かないか…」と診察結果を聞かされ、病院を後にしました。病院からの帰り道、ほっとしたと同時になぜか頭をよきったのは、たばこのことでした。

 

それまで店主は「超」がつくほどのヘビースモーカーで、ハイライトというきついタバコを1日に3箱、60本もコンスタントに20年以上吸いつづけていました。その頃になると、タバコを吸うたび痰がからんでせきもひどく、おいしいと感じることは数日に1回あるかないかという、完全に惰性で吸っている状態でした。

 

なんでこんな調子になってまでタバコを吸っているのか?別にやめるつもりはないが、惰性で吸うことはやめて、本当に吸いたいと思うときだけにしよう。こう考えると今までの自分がひどく滑稽でばからしく思え、この日を境にタバコとの関係性を180度変えることになりました。

 

当時、健康増進法の施行などもあり、世の中がどんどん喫煙に対して厳しくなっていきました。会社でも食堂や会議室から灰皿が撤去され、タバコは限られた喫煙所のみでしか吸えないようになっていきました。

 

忙しさの頂点にいた店主は、タバコを吸う時間も惜しく、惰性でタバコを吸うことをやめたこともあり、どんどん喫煙所に行く回数が減っていき、気づくと日中タバコを吸わなくなっていました。しばらくするとタバコとライターを持ち歩くこともやめ、タバコを吸うのはお酒を飲むときだけになって行きました。

 

たまにお酒を飲まない日があるのですが、その日はタバコも吸わないわけで、その翌朝の目覚めがとても爽快で、朝ごはんもとてもおいしいということに、そういう状況になってはじめて気づきました。

 

その後、お酒+タバコの生活は数年続いたのですが、ある年のお正月にあの朝の爽快な目覚めが毎日欲しいと思い、お酒のときもしばらくがまんして見よう、とはじめてすでに十数年が経ちました。結果、おなかがどんどん成長していったのはみなさん、ご承知のとおりです。

 

つづく…