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IVY Note No.109

ストーリー

アイビーのアイテムを理解し、着こなしをマスターするためのポイントは、そのアイテムが持っているバックグランド、つまり背景をしっかりと理解することにある。

 

このBlogでもたびたび紹介しているように、それぞれのアイテムには背景がある。たかが洋服である。背景など関係なく気軽に着ることももちろん構わないが、アイビーやトラッドアイテムのように、長い間定番として多くの人々に愛され続けているアイテムには必ずこの背景があるのだ。

 

逆をいえば、背景がないような思い付きのアイテムというのは、流行ることはあっても、長い間多くの人々に愛され続けることはないといっていいのではないだろうか。

 

 

アイビーにも背景がある。表面的には米国北東部の優秀大学校の在校生ならびに卒業生の服装をそっくり輸入したと思われがちである。しかしそのルーツをたどっていくと、我々日本人が敗戦後に米国のアイビーを身にまとった青年たちのファッションにあこがれたように、アイビーリーガーたちの服装もイングリッシュ・ジェントルマンに源流を持つのである。

 

米国の歴史は短い。建国の際にはあらゆる生活文化をイギリスに手本を求めて国づくりをしてきたと考えるのが自然であろう。そんななか、米国の知性といわれるアイビーリーガーたちもイギリス式の流儀や作法を取り入れたのだ。

 

アイビーは英国のトラッドとくらべ、スポーティーで明るい。また機能的である。これは英国に源流を持つアイテムや着こなしに米国流、かつ学生の服装としてのスポーティーさや着易さ、機能性が加えられ、進化したものである。

 

このように他国の文化を輸入して自分たちのものとして消化し、それをベースにさらに昇華させていくのは、日本のお家芸である。わたしたちが考えているアイビーも日本流のアイビースタイルになっている。

 

アイビーを考えてみても、このようにストーリーがあり、それを理解することが着こなしのポイントなのである。