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仕事のすすめ方 No.9

2-2.お客さま視点

会社に入ったばかりで自身の担当する仕事の意味がまだよくわからないときには、なにも考えずにただ「いわれたことをやるだけ」になりがちです。しかしわたしたちは営利企業に入り、ビジネスの世界で生きています。

 

わたしたちが毎月もらっているお給料はどこから出ているのでしょう? 社長のポケットマネーではありません。お客さまが当社の製品やサービスにご自身の大切なお金を払ってくださることで、会社はわたしたちに給料を支払うことができるのです。つまりお客さまが当社の製品やサービスに価値を認め、選ばれることでのみ会社は売上や利益をあげることができ、存続することができるのです。

 

そのように考えると、お客さまが支払う価格以上の価値を製品やサービスといった形で提供する必要があります。それにはお客さまがどんなことを求めているのか、それを自分たちの立場ではなく、お客さまの立場に立って考える必要があることがわかってきます。

 

お客さま視点というと、それは営業職としてつねにお客さまと接している人やお客さまの手元に届くモノをつくっている人の話で、自分は管理部門で事務職をやっているから関係ない、という人をよく見かけます。ほんとうにそうでしょうか。

 

会社のすべての活動は、最終的に価格という形でお客さまとつながっています。モノやサービスの価格というのは、必要な材料費や水道光熱費、みなさんのお給料などの人件費などかかった経費に一定の利益を上乗せして決まります。

 

みなさんが仕事のレベルを上げて同じアウトプットを出す時間を5%削減すると5%の効率アップとなり、人件費は理論上5%下がります。1人ではたいしたことのない金額ですが、これを全員で実行したらどうでしょう。当社はお客さまに同じ利益額で5%安い価格設定ができるのです。

 

このように考えると、わたしたちの仕事は、フローという流れでモノや情報、お金がつながっていき、最終的にお客さまにつながっています。そう考えるとわたしたち事務職のお客さまというのは、自分の仕事のアウトプットをわたす人ということになります。

 

先ほどお客さまが当社の製品やサービスに価値を認めるという話をしました。お客さまが価値を認めてそれを手に入れると、製品やサービスと一緒に満足感という気持ちも手に入れることができます。

 

 

製品やサービスといったものの絶対的な価値は、時間が経過しても変化することはありません。一方で満足感という感情は時間や回数で基準が変化していきます。満足感のレベルを満足度といいます。この満足度は時間や回数によって変化していくのです。

 

たとえばみなさんがスマホを買い変えるとします。みなさんはいま持っている機種と同じくらいの値段は覚悟しますが、当然新しい機能、たとえば写真がきれいに撮れる、レンズがたくさんついているとかストレージの容量が増えているなどを期待するでしょう。また、同じ機能ならば、当然コストダウンして安くなることを期待します。

 

 

つまり満足度というものは、期待度をどれだけ充足させたかで決まり、期待度というのは、時間の経過や回数が増える(慣れてくる)にしたがって大きくなるのです。そうするとわたしたちはつねにお客さまの期待度があがる以上に充足度をあげる、つまりモノやサービスの価値を期待以上にあげていく必要があるのです。