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人事屋修行記(第2話)

会社説明会兼一次選考

説明会の翌週、仙台駅前のホテルを会場に「会社説明会兼一次選考」が開催されました。当時は、採用にさける人員もあまりなく、そもそも東証二部上場の部品メーカーで学生の認知度も少ないことから、会社説明会を単独ではなく、5~6月頃に一次選考とセットで開催していました。

 

ホテルの会議室におよそ10人程度の学生が集まり、説明会がスタートしました。会社の採用担当者は2人、一人は先週合説で説明をしてくれた方と、もう一人はその方の上司のようでした。はじめにアンケートが配られ、記入をするように言われました。その中には希望職種を書く欄があり、第三希望までを記入するようになっていました。

 

今まで真剣に就職活動をしてこなかった人間です。「希望職種」など考えたこともありません。脳ミソをフル回転させ「営業はノルマなんかがあってキツそうだからやめておこう。経理は数学苦手だから無理だな。そうすると…総務・人事はなんとなく、専門性がいらなそうで何とかなるかな」と、消去法で「総務・人事」を第一希望にして提出しました。

 

ほどなく開始時刻となり、先週の担当者の方が我々の手元に配られたパンフレットと資料をもとに説明をしてくれました。当時はプロジェクターが持ち運べるような代物ではなく、PCもまだありませんから、当然紙の資料のみの説明です。15分程して説明がおわり、続いて上司の方が補足説明を始めました。

 

「今みなさんに説明をしてくれた彼は、実は入社2年目で、説明会で話をするのもほとんど初めてです。聴きにくい部分もあったでしょう。でも、弊社はこのような重要な仕事を若手にどんどん任せていく、そういう会社です」

 

実に堂々と、またモノは言いようで実にナイスなフォローでした(今思うと)。そんなフォローにボクは、若手にどんどん仕事を任せてくれるいい会社なんだと本気で思ってしまったのは言うまでもありません。

 

つづく…