Cafe HOUKOKU-DOH

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人事屋修行記(第58話)

出会い

1999年当時一次面接は、東京と大阪で行っていました。店主は面接のヘルプで初めて大阪に出張しました。大阪での面接会場は梅田にある新阪急ビルの会議室です。そのときは飛行機で伊丹まで行ってバスで梅田に向かいました。

 

当時は、会社説明会兼一次選考会と称して、朝から1時間ほど会社説明をした後、そのまま一次面接を行っていました。

 

 

その日の大阪会場には20名ほどの学生さんが集まってきましたが、その中に女性が1人まざっていました。当時は合併してまだ3年目、規模が大きくなり知名度がようやく上がってきたころでしたが、女性が参加するのはまだめずらしい状況でした。

 

説明会が終わって学生さんに面接の予定時刻を告げ、会場のレイアウトをしていると、受付のヘルプできていた女性社員が、あわてて店主らを呼びにきました。「説明会にきた女子学生が面接を辞退したいと言っている」とのことでした。

 

様子を聞いてみると、説明会に参加してみたら男子学生ばかりで何か場違いな感じなので辞退したいとのことでした。その学生さんは、とても小柄で上品な感じで確かに当社のオタクエンジニアの中では浮いてしまう感じは否定できません。

 

しかし受付を担当していた彼女は、せっかくここまで来たのだから、せめて面接を受けるだけでも受けていったほうがいいと一所懸命説得していました。世話好きでおせっかいすぎる性格がいい方に出ていました。

 

 

女子学生は、彼女の必死の説得を断りきれなかったのか、面接を受けることを承諾してとりあえず一件落着。時間になったら面接にも無事戻ってきてくれて、先輩の面接を受けていました。

 

その日は、面接官3人で夕方前に無事終了。何気なしに女子学生の結果を聞いてみると、先輩が大絶賛していました。先輩はいつも面接の点がとても辛いのですが、いまだかつて見たことのないくらいほめていました。

 

それだけほめていれば、とてもいい人材なのでしょうけど、問題はきてくれるかということです。なにせ面接受けないで帰るといわせたくらいの印象を持たせた会社です。ボクは期待薄ではないかと感じていましたが、先輩は採用担当にしっかりフォローして会社の想いを伝えるようにと詳細に指示をしていました。

 

その後彼女は無事二次面接も通過し、関西の地から遠い宮城にきてくれることになりました。入社後営業に配属となり、その後人事に異動し店主の元、人事課長として活躍してくれました。

 

店主はこの件を思い出すたびに、人間の出会いってとても不思議なものだとつくづく感じます。

 

つづく…