今週はチノパン以外の夏向けカジュアルのボトムスについて、見ていきたい。
ホワイトジーンズ
IVYにおける夏のボトムスというと、まず最初に頭に浮かぶのがホワイトジーンズである。白という色は不思議なもので、衣服として身につけると街中でとてもまぶしく見える。とくにボトムスにおいては目を引く。
1960年代当時の本場米国のアイビーリーガーたちは、ブルージーンズをまだカジュアルウエアではなく、ワークウエアとして分類していて、ワードロープとして認めていなかった。その厳しいレギュレーションのアイビーリーガーたちが唯一認めていたジーンズがホワイトジーンズであった。
ホワイトジーンズは、白という色のおかげで、あわせる洋服や色をえらばない。夏のカジュアルなトップスの代表選手であるTシャツはもちろん、BDシャツやポロシャツといったシャツに合わせると、一層清潔感が増す。
ブレザーやサマージャケットを羽織って、BDシャツにニットタイ締め足元をローファーで固めれば、ビジネスカジュアルにも十分耐えうる。タイドアップしていても涼しげに感じられるのが不思議だ。
ブランドはとくにこれといった指定はないが、リーバイスやリーといった米国ブランドの相性がいいことは間違いない。裾幅は初期のころのアイビーレギュレーションでは、ストレートとされていたが、イマドキならスリムフィットも全体のバランスがスッキリすので、好みで選べばいい。
ホワイトジーンズをオシャレに着こなす究極のワザは、真っ白な洗いざらしのモノを毎日身につけることである。周囲から同じホワイトジーンズを毎日きれいなまま履いていると思われるように、同じものを数着そろえて毎日履くという上級者向けテクである。
コットンパンツ
IVYワードロープにおけるコットンパンツの定義は意外とアバウトで、店主もこれまで何十年と雑誌や書籍を読み漁ってはきたが、ハッキリとこれだ!というものには出会ったことがない。まあコットン素材のパンツだから、結構な守備範囲なのである。
なので、コットンパンツの一種であるチノパンはチノパンと呼ぶことにして、コットンパンツとしてはよりカジュアルなパンツを取り上げたい。
米国のジーンズメーカーであるLeeから出ているウエスターナー。カットはまんまジーンズなのだが、生地はデニム地ではなくコットンサテンが使われており、全体的に光沢感があり柔らかいのでとても履きやすい。
現在新品で出回っているものは復刻版のようで、1960年代当時にはアイビーリーガーに絶大な人気を誇っていたそうである。合理的なアイビーリーガーが支持していただけあって、履きやすいに加えて、コーデの幅もとても広いのである。
夏にはどんなトップスにも合わせることができ、真っ白ではないベージュカラーがホワイトジーンズにはないIVYっぽさを出すのである。白はなんとなく気恥ずかしいという向きにもおススメだ。カジュアルにはもちろん、ブレザーなんかを羽織るとグッと落ち着いた雰囲気になってくる。
また夏だけではなく、秋冬のボリューム感のあるトップスにもマッチングがよく、スタジャムジャンパーなんかとのマッチングは絶妙なフィット感である。この一本でコーデの幅がグンと広がること間違いなしの便利アイテムだ。