ワードローブチェックリスト
今週は春物のなかでもコットン素材のものを見ていきたい。
スクールトレーナー
春先の季節感にあう素材としては、コットンがまっさきにあげられる。洗いざらしのザックリとした肌触りがいいので、Tシャツの上にサッと羽織るのが気持ちがいい。
コットン素材といってまっさきに頭に思い浮かぶのは、トレーナーであろう。このトレーナーという名称は、VANが米国から持ち込んで売り出すにあたり、命名したものである。米国では、スエットシャツという。
今ではわが国のなかでトレーナーを身につけたことがないという人を探す方が大変だろうし、着たことのない人でも名前くらいは知っているだろう。そのくらい生活のなかに浸透している洋服のひとつである。
その種類たるやブランドものからスポーツウエア、ファストファッションなどのオリジナルまで、その商品ラインナップもとても幅が広いのが特徴といえる。
一方でそれだけラインアップがたくさんあるということは、どれを選ぶかで、同じトレーナーという洋服ながらに、相手に与える印象が変わったり、コーデの仕方も変わってくるという、意外とやっかいな代物なのである。
アイビーにおけるトレーナーの代表選手といえば、そのルーツであるアイビーリーグ8校のロゴが入ったスクールトレーナーである。胸の部分に大きく描かれたロゴは、やはりアイビーをイメージする。
色はスクールカラーか霜降りグレーというのが、ネバならぬ時代のルールであった。まあスクールカラーはさておき、霜降りグレーというのは、とても他のアイテムと合わせやすく、アイビーっぽく着こなせること間違いなしである。
スエットパーカー(プルオーバー型)
コットン素材でトレーナーと双璧をなすのは、スエットパーカーである。ルーツはやはりアイビーリーガーのトレーニングウエアであったが、その後は完全に市民権を得て、さまざまなジャンルのファッションにも取り入れられている。
スエットパーカーには、かぶるタイプのプルオーバー型と身ごろにジッパーがついているタイプがある。春先の寒暖の差が大きい時期には、脱いだり羽織ったりできるので、フロントジップ型が便利だが、アイビー的なシルエットとしては、プルオーバー型に軍配が上がるだろう。
プルオーバー型は全体のシルエットがいい。上がゆったり目のシルエットであるのに対し、パンツが細身で逆三角形のシルエットは、スタイルがよく見え、体型についても補正してくれる。そしてこのシルエットがまたアイビー的な匂いを感じさせてくれるのである。
もともとスポーツウエアが発祥なので、コーデはよりカジュアルな方向に振るのが相性がいい。チノパンよりコットンパンツ、ローファーよりスニーカーといった感じである。
ただ、アイビー的な感じをより出すのであれば、あえて逆に組み合わせてみるのもおもしろい。アイビーリーガーは、文武両道、質実剛健なバンカラ気質の学生が多く、コーデもあえてチグハグ感を出すと、それっぽく見えるのだ。
春に向けて、スエットパーカーやトレーナーを新調してみるのはいかがだろうか。