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IVYおじさんの創業日誌

昇進

火曜日に自宅で仕事をしていると、LINEにメッセージが入った。ポップアップで少しだけ見えた文書には「おめでとうございます」の文字だけが、かろうじて見えた。

 

おめでたいことだろうと思い、さっそく見てみると、なんと人事の飲み仲間のひとりが4月1日付で執行役員に任用されたというのだ。

 

LINEには飲み仲間をピックアップしたグループがすでに立ち上がっていて、グループ名は「〇〇さんおめでとうの会」となっていて、さらに写真は、昇進した彼の会社のロゴマークがしっかりと貼り付けてあった。

 

グループに昇進を知らせる投稿には、日経デジタルのURLが貼り付けられており、その会社の公式プレスリリースまで見られるようになっていた。なんと段取りのいいことか。

 

10人以上のグループメンバーからは、ぞくぞくお祝いの気の効いたメッセージが書き込まれた。みんな個性的で温かいメッセージで祝福していた。

 

社外の友人

「人事の飲み仲間」は、いまから17年前にその集まりの原型ができた。メンバーみんなの会社がお付き合いしていた採用コンサルティング会社の担当者が、面白うそうだと感じたメンバーに声をかけて飲み会を企画したのがはじまりである。

 

いわゆる「異業種交流」とか「情報交換会」といったやつである。このような集まりはどこにでもあるのだが、その日は違っていた。ふつうは、名刺交換してお見合いのような双方の外形的な情報を交換して、あたり障りのない話をして、1次会でそのまま解散というのがパターンである。

 

ところが、お店を出てもみなさんまったく帰るようすもなく、駅に向かって歩いているうちに、ひとりが「終電までもう一軒どうですか」と切り出し2次会へ。結局終電もなくなり、始発まで飲み明かしたのだった。

 

メンバーのノリは、その日はじめて会った社外の方といった感じはまったくなく、ちょうど久々に再会した中学校の同級生といった感じで、気を遣うどころか一緒にいるのが楽しくて仕方がないといった印象をもったのをいまでも鮮明に記憶している。

 

その後は、定期的に忘年会、お花見、夏の合宿、BBQなどと飲むことをメインにしたイベントを毎年続けていった。それでもスタート直後はメンバーの会社の会議室をお借りして、勉強会なんかを開催した時期もあった。

 

よく、「社外のネットワークを意識的につくる」ことをすすめるアドバイスはよく聞く。店主もそのとおりだと思うが、このネットワークはそのレベルを超えて、社外の友人まで関係性が発展していった。

 

転職、独立

その社外の友人という存在のありがたさを一番感じたのは、店主が新卒で入った会社を辞めたときであった。会社内の人間関係というのは、好むと好まざるとに関わらず、「同じ会社」というベースの上に成り立っている場合が多い。

 

いままで2回ほど会社を退職したが、残念ながら退職すると関係性が途絶えてしまう方が多い。店主としては社外ネットワークは大切にしたいと考えて、そのようなスタンスで接し続けようとするのだが、いろいろな考え方のひとがいることも事実である。

 

そんなとき、社外の友人という存在は、退職などという変化にまったく関係がないのである。やむを得ない理由で退職しても、それまでどおり付き合ってくれる友人の存在はとてもありがたい。

 

それにしても「人事の飲み仲間」は、面白いメンバーが集まっている。今回の執行役員への昇進で、メンバーのなかで上場企業の役員になったのは3人目である。仕事という場面でも評価されているメンバーもいれば、それ以外にもとがった面をもったメンバーがいて、そういった面々が集まることで、とても楽しい集いになるのだろう。

 

火曜日の夕食は、昇進した彼の会社の商品をお祝いに食べることにした。これがまたお酒によく合うのである。昇進おめでとうございます!