Cafe HOUKOKU-DOH

~ホッとひと息的な読み物でブレイクするサイト~

人事屋修行記(第46話)

ひとり2勤

合併の発表をして以降、店主の仕事は通常業務のほかに、合併の整合作業がプラスされました。すべての整合作業をイッキにすすめることはできないので、項目ごとに優先順位をつけ、まずは最低限あわせておかなければいけない部分を一緒にするという方針です。

 

運用ルール

f:id:HOUKOKU-DOH:20220312090406p:plain

労働条件に関する部分は、本社の人事企画が一括で担当することとなり、その結果をもらってから動くことしました。一方工場人事の店主は、おもに労務事項の整合や、日常の定例業務をどのように円滑にすすめるかという、業務フローや運用に関する部分が担当です。

 

われわれの仕事は、ルールや規定を決めればおわりというわけではなく、そのルールにしたがってどのように仕事を流していくかという部分に知恵やアタマを使うことが期待されています。

 

日々現場で実務を担当しているからこそ、気がつくことがあったり、いいアイデアがうかんできたりするからなのでしょう。実務の運用をしっかりと決めておくことこそが、決めやルールの想いを具現化する大切な役割だと考え、いつも自分の納得いくまで運用を考えていました。

 

当然、担当業務のほかにアドオンされる仕事ですから、仕事量は許容量を超えるような勢いです。しかし、合併の期日は決まっているので整合作業は待ったなしで、その場その場で決めていかないと、工場の窓口で仕事に向き合う人事メンバーが立ち往生してしまいます。

 

朝型シフト

f:id:HOUKOKU-DOH:20220312090411p:plain

当然労働時間は長時間となっていきましたが、そんななか、店主は自分にひとつルールを作って仕事をすすめることにしました。仕事は朝から午前中の間が、神経が集中でき効率がいいとどの本にも書いてあり、ボクも受験勉強も朝方で得意でもあったので、朝はできるだけはやく出社するようにしようと考えました。

 

それから、仕事はこなしてもこなしても当面なくなることがないレベルまで積みあがっていましたので、終わるまで仕事をしていなのでは、いつになっても帰れません。なので、どんなに仕事が忙しくても、毎日夜11時半には帰るように決めました。

 

それで結局、朝は6時に出社して、夜は11時半に仕事を切り上げて帰るという生活パターンに落ち着きました。これだと、家に帰って晩酌(これだけはどんなに忙しくてもなくせません)しても、3時間は寝て朝5時に起きて6時には出社できます。

 

当時は工場から10キロの街に家を借りていましたので、朝は5時半に家をでて4号線バイパスを行くのですが、毎日同じ時間帯だと、同じクルマによく出会います。車高の低い速そうなクルマとバイパスで競争することもしばしばでしたが、結局うちの工場に入っていったりして、製造派遣のお兄さんなんかともよく朝晩競争しながら通勤していました。

 

こういうパターンで仕事をしていくうちに、出社と退社の時間が早番の出社時間帯と遅番の退社時間帯とかぶっていることに気づいて、自分でひとり2勤なんて名づけて、自己をなぐさめるしかありません。でも、今思い出してもつらかった記憶はなく、仕事を自分の思いどおりにできたという満足感だけが残っています。

 

今振り返ると、20代のうちに仕事に没頭できてホントよかったなと思っています。

 

つづく…