テイクアウト
先日カミさんが3回目ワクチン接種の副反応で40℃近い熱が出た。熱にうなされながらよほど食べたかったのだろう。翌日熱が下がってから、やはりどうしてもサーティーワンのアイスが食べたいといい出した。
副反応で丸1日寝ていたカミさんに対し、たまたまクライアント企業に1日出かけていて、面倒を見れなかった店主は、多少の後ろめたさもあり、すぐに買いに行くことを請け負った。
当初、ネットでメニューを見ながら12ヶ入りのバラエティボックスに入れるアイスの種類をメモに書き出していたのだが、店頭で注文してから12ヶのアイスを準備するだけでも相当な時間がかかるなと思った。
これはネットでテイクアウト予約をしておけば、行ってすぐ受け取れるので、おそらくテイクアウトの予約システムがあるだろうと思い、検索するとやはりヒット。
メモしたところ申し訳ないがタブレットで注文し直すようお願いすると、息子がめずらしくこころよく引き受けてくれた。イマドキの若者らしく、あっという間に注文を完了してくれた。引取り時間は最短で30分後だという。
待たずに受け取れるメリットがネット注文の理由だったのだが、冷静に考えるといい歳をした店主が店頭でメモを見ながらアイスを注文をする姿は、かなり滑稽である。また混みあっていれば、列の後ろから無言の圧力を感じることは確実である。
予約アプリ
今回は自宅からブラウザーで注文したが、コロナ禍でテイクアウト需要が増えたことで、外食チェーン店独自のアプリや、テイクアウト予約機能を提供するアプリがとても増えた。店主のスマホも気がついてみると、1画面がその手のアプリで埋まっている。
この予約アプリは、各飲食店ごとに独自の機能を日々進化させている。回転ずしチェーン店では予約を入れておくと、店頭での予約タイミングと同列に扱ってくれるので、店頭での待ち時間を短縮できる。数十人が待っているなか、さきに案内されるのは少々気が引けるが。
当初は感染防止対策で、店頭での密集しながらの待ち時間を減らすためアイデアだったと思うが、ユーザー側にも思わぬメリットが出た格好である。
キャッシュレス決裁
テイクアウト機能では、ほとんどのアプリがキャッシュレス決裁機能を連動させている。あらかじめカードやQRコード決済と紐づけることで、店頭での現金のやり取りを減らせ、なおかつ無断キャンセルのリスクもなくすことができる。
あらたにポイントカードなどを発行する手間やコストもなく、アプリにポイント機能を載せることができるので、ポイントによる顧客の囲い込みもスムーズである。
またほかの飲食店と差別化がしにくい商品を提供しているのであれば、このアプリをスマホにダウンロードしてもらう効果は大きい。いったんアプリを入れてしまうと、ラクなので自然とその店を選んでしまうからだ。
ビジネスモデルの変化
マクドナルドはもっと進んでいた。カウンターに長い列を作っているお客さんを横目に、アプリで席から注文すると届けてくれる。これは、店側と顧客の双方にメリットがある。
店側は、店頭で注文を受ける人員を削減できるし、現金取扱いの工数も減る。居酒屋などで流行っているテーブルへのタブレット配置のコストもない。
顧客はもちろん席で座ったまま注文できて、待っていられる。もちろん店に行く前に事前に注文もできるので、店についてから食事にありつけるまでのリードタイムも短縮できる。追加注文ももちろん席からだ。顧客満足度は確実に上がると思う。
この仕組みはフードコートでも応用できるのではないかと感じている。フードコートは選択肢が多いので便利なのだが、混雑時には席を確保するのにたいへん苦労する。
この席の確保から食事にありつけるまでの導線や時間をアプリを使って解決することで、もっと満足度が上がるのではないかと考えている。
そうすると、飲食ビジネスの店舗の意味というのも変化が起こってくると思う。雰囲気など空間なども含めた付加価値を提供する飲食店は、別のルートでこれからも発展していくだろう。一方、安価に食事をするという目的であれば、大きな変化のなかにいるのではないだろうか。