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人事屋修行記(第52話)

システム統合

 

格付け移行が固まると、次は旧3社のうちどの会社のシステムを使って人事情報の管理と給与計算をするかという話にフェーズが移りました。旧3社ともそれぞれ大型のオフコンで動くシステムを使っており、システムにはそれぞれ一長一短がありました。

 

そこで、旧3社のシステムをならべて機能面から評価することになりました。もっとも重要なのは、各システムの管理項目が新しい規定による人事管理、給与計算、賞与計算やその他のオペレーションに必要な情報を網羅しているかというところでした。

 

新しい規定をベースにどのような情報が必要かを棚卸しして、システムごとに管理項目をならべ、チェックをつけていきます。そのチェックがどれだけ多くつくかがもっとも重要な評価ポイントになります。さらにシステムの拡張性や勤怠システムとの親和性、それから保守を担当するエンジニアのレベルまで評価をしていきました。

 

評価会をひらき、決裁を受けたのは、店主のいた会社のシステムでした。約4年前に新しく立ち上げたもので、管理項目の数も充実しており、なによりも多数の従業員を管理する前提で設計されていたのが、その後の運用を行っていくうえで、評価されたポイントでした。

 

 

入れ物が決まると、そのシステムを新しい規定にあうよう、改修しなければなりません。当時は、スケジュールが非常にタイトであったため、ベンダーのエンジニアがなかなか確保できず、本来であれば、われわれユーザーが機能要件を出して、それをIT部のメンバーがシステムエンジニアとして、フローや画面、帳票といった具体的なものにして確認し、それをベンダーに発注するという工程を全部、われわれユーザー部門とIT部が一緒になってつくっていきました。

 

統合した人事情報システムには、店主が設計した画面や帳票がたくさん残っていて、なんともとも愛着のあるシステムでした。そのおかげで、ずいぶんシステムの画面をつくるセンスや帳票設計のスキルも身につけることができました。怪我の功名というか、どこでスキルの幅が広がるものかわからないものです。

 

とにかく日程がなく本当にドタバタしているなかでの作業です。チームのメンバーとIT部の担当エンジニアとで毎晩、日付が変わるまであれやこれやとやりながら、情報の入れ物となる新しい人事情報管理システムの改修は進んでいきました。

 

つづく…