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人事屋修行記(第87話)

ジェネラリスト

人事情報システム更新の話は、その後徐々に現実味を帯びてきました。とりあえず、さくら情報さんおススメの東芝製の人事管理アプリケーション「ジェネラリスト」のデモを見せてもらい、当時会社が抱える課題や実現したいことなどがどのようなイメージになるのかを確認させてもらいました。

 

それまでの企業においては、業務処理をコンピューター化する場合の一般的な考え方としては、「現状の業務フローを前提に、その工程の中で、どの部分をコンピューターに処理させると効率が何割上がる」という現状の業務フローを肯定したものでした。

 

ところがすこし前から次第に発想が逆転してきて「世間で広く一般的に使われているアプリケーションのやり方が世間標準なのだから、自社の業務フローをアプリケーション導入を契機にアプリにあわせる」という考え方が主流になってきていました。

 

人事情報システムそれ自体は、単なる情報の入れ物であり、システム自体が何らかの付加価値を生むわけではないのですが、人事システムに連携して人事まわりの業務を処理するシステムはたくさん存在します。給与計算、勤怠管理、社会保険、評価、昇給昇格など、当時でもコンピューターなしでの業務推進など現実的ではないものばかりです。

 

 

また、人事情報システムに入っている情報は、常に更新して最新のものにメンテしておかなければならず、その情報をどのように収集して更新していくかということも、大きな工数のかかる作業です。

 

そういった観点からすると、人事情報システム本体ではないものの、ワークフローという電子申請システムなども、人事の事務作業を効率化には欠かせないものといえます。

 

当時ちょうど、情報システム部でJフローというシステム立上げのプロジェクト管理手法を導入した直後でした。今回のシステム更新で、店主ははじめてJフローにしたがってシステム導入を進めていくことになりました。

 

まずは、U0フェーズという、システムのユーザー部門が、今回のシステム導入で何を実現したいのかという目的や要件を整理して共有する評価会に向けて、プロジェクトを動かしはじめました。

 

主担当は、10月に店主の担当する人事係へ異動してきた入社2年目の女性にお願いしました。ちょっと約不足かなとは思いましたが、頭の回転の速さと、飲み込みのよさ、それになんといってもしっかりとした文章を書く能力があり、まあ鍛えていけば何とかなるか、というより、台所事情から他にアサインするメンバーがいないこともあり、彼女にお願いすることにしました。

 

平行してJ0時に提案、決定する使用アプリケーションとベンダーについて、各社のDA表を作ってさまざまな角度から検討していきました。東北地域の東芝ユーザー会の会長でもある当時の会社は、東芝さんとの付き合いが長く、東芝製アプリのジェネラリストの印象は非常にいいものがありました。

 

当時、それ以外の人事情報アプリで当時の会社以上の規模感の会社にマッチするアプリは他に出ておらず、規模感と機能面を比較していくと、ジェネラリストが群を抜いて当社にはマッチしていました。

 

一方、ベンダーさん選定については、数社が候補にあがっていましたが、原価管理システムの立上げなどで、この時期立て続けにシステム開発案件を受注していたさくら情報さんの印象がとてもよかったように感じられました。

 

システム評価U0、J0と何度かの再提案を経て、ジェネラリストをさくら情報さんで開発してもらうことになり、投資額1.2億円のプロジェクトは正式にスタートしたのでした。

 

つづく…