藤沢会
先週の金曜日、クライアント企業の食事会にお誘いいただいた。イベントの名称は「藤沢会」。その名のとおり藤沢駅近くの韓国料理屋さんで開催された。
メンバーはクライアント企業の人事メンバーと藤沢周辺に住んでいる社員のみなさん、そして社長と店主。フルリモートなので、ご近所に住んでいる社員に声をかけ、食事会にみなさん自宅から参加していた。
それにしてもなぜ、藤沢なのか?それは、参加者のなかの主賓ともよべるメンバーが藤沢在住だからであった。
クライアントのピンチ
話しは2ヶ月前にさかのぼる。クライアント企業のHRメンバーは、部長と担当の2名。総務も兼務するので社員数70数名規模では若干少ない人数ながらも、しっかりと業務をこなしているイメージであった。
ところが、HRの担当者が突然、退職することになった。退職の意志は固く引きとめはむずかしいという。これではこれまで2人で対応してきた総務、人事の業務が部長1人にかぶさってしまう。
さらに9月から11月にかけては来年初めからスタートする新しい人事制度を具体的な内容にして、全社員に個人別の新しい給与額も含めて通知するという、制度導入のハイライトが待ち構えており、それだけを専任で担当してもいそがしくなるボリュームである。
とにかく部長がオーバーフローして倒れてしまわないよう、一刻も早く人事メンバーを採用しなければならないと部長と店主は頭を抱えてしまっていた。
リファラル
ご承知のとおり、通常の求人広告や人材紹介では、募集の申込をしてから、書類選考、面接調整、複数回の面接、内定出し、承諾、入社といったフローを最短でこなしたとしても、2ヶ月はみなければならない。
通常は転職元の会社に退職の意思表示をしてから退職まで2ヶ月程度というのが一般的だとすると、さらに2ヶ月上乗せになる。
そこで我々は、知人友人で適材がいないか考えをめぐらした。そうすると部長の学生時代の仲のいい先輩が、専業主婦で子育てもひと段落したので、そろそろ社会復帰したいと考えていたようだという。さっそく連絡をとり、イッキに社長面接まですすめて、約半月で入社してもらった。
また、店主も10年来の付き合いのキャンプ仲間が、やはり子育てひと段落したのを思い出し、声がけしてみた。こちらも専業主婦だったので、前任者の退職の20日後には入社にこぎつけることができた。
充実の布陣
先週の藤沢会は、新任HRメンバーの歓迎会の意味合いもあったので、前述の2名のほかに、年明けから入社を予定している管理職格のメンバーも参加した。
8月の下旬に、部長と2人で頭を抱えていたことを思い出すと、部長+管理職格+担当2名の合計4名というメンバーがそろったのだ。しかもあらたな3名のうち、2名は上場企業での人事経験者なので、即戦力である。
藤沢会でテーブルにならんでいる彼ら、彼女らをみて、店主は本当に安心した。しかし店主よりも安心したのは、当の部長であったであろう。
柔軟な働き方
いくら友人、知人とはいえこんなに簡単にいい人材や経験者を採用するのはやはり容易ではない。そこには最近時いわれている「柔軟な働き方」により、「労働力供給に制約のある人材」を採用したのだ。スキマ戦略である。
3人のうち2人はバリバリの社会人経験のある専業主婦である。多少のブランクはあるものの、そもそものポテンシャルは、過去の社会人経験の中で実証済みである。
ただし、2人にフルタイムで週5日出社という条件を提示したら、今回の入社は実現しなかったのである。やはり、それぞれに家庭や家族があり、さまざまな制約がある。
そこで、話し合いの末、週3日にすることで、フルリモートワーク、クルマ通勤といったデフォルトの条件も加わり、それならば続けられるかも?となったのである。
まさに、国が提唱する「働き方改革」を実践して、優秀な人材を採用したというモデルケースのようである。
つながる
こうしてみると、やはり最後は人のつながりである。このような柔軟な働き方と柔軟な採用手法の組み合わせが活きるのも、人と人のつながりがなせるワザである。
店主も起業してみて痛感したことではあるが、今回あらためて人のつながりの大切さを実感させられた。
今後、企業に雇用されるだけでなく、フリーランスや起業などさまざまな働き方が、必要に応じてジョインして課題解決をしていくことを考えると、いかに優秀な人材とつながっているかというのも、財産のひとつになってくるであろう。
人事制度の運用
さて、このHRチームで新しい人事制度を運用し、採用、教育も含め、事業計画達成に向けてミッションをこなしていくことになる。
来年はもっとエキサイティングな仕事ができそうで、いまから楽しみである。