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人事屋修行記(第111話)

キャリア採用

本社の人事課長として復帰し、新卒採用も落ち着いてきた夏前に事件は起きました。キャリア採用の担当者が突然会社を辞めると言い出したのでした。聞くとすでに転職先は決まっていて、退職のタイミングも変更できないとのこと。後任人事についてもそう簡単には決まりそうになく、当面、店主が担当することを覚悟しました。

 

当時の人事課は、店主を含めて6人。そのうちの1人が派遣社員で、2005年に人事課を宮城の工場から本社に移したときから来てくれていたベテランでした。彼女はとても優秀な人物で、彼女のヘルプがあればなんとか店主が兼務で担当できるのではないかと考えました。

 

彼女を呼んで事情を説明し、キャリア採用のヘルプをお願いすると、事情を理解し快諾してくれました。担当してもらうのは、応募者管理から面接のセットまでで、書類審査と面接以外の判断が伴わない業務はすべて担当してもらいました。

 

当時はリーマンショック直前の人手不足がピークのときで、開発エンジニアを中心に年間百名以上ものキャリア採用を行っていました。当然1日に届く応募書類は数十人分にものぼり、彼女はその日届いた応募書類を退社直前にすべてプリントアウトし、店主の机の上に置いて帰るのが日課となっていました。

 

 

キャリア採用の業務フローで一番手間がかかるのは、面接のセットです。面接の当事者全員のスケジュールを合わせて面接をセットするのですが、当時は面接1回のみ、求人部門の部長+人事の担当者で回していました。

 

開発部門の部長さん達から平日の日中は忙しくスケジュールが取れないので、土曜日にして欲しいという話があり、この案には我々人事も飛びつきました。

 

キャリア採用は、在職中の人がほとんどですから、土日に面接をするということは、応募者ファーストと受止められますし、スケジュールも調整しやすく効率的です。基本、隔週土曜日を面接予定日と設定し、求人部門の部長さんにはあらかじめその日はスケジュールを空けていてもらいます。

 

あとは、応募者に面接候補日時を一方的に提案するだけの作業となりますので、スケジュール調整の手間は半分どころか1/3にも1/4にもなりました。その代わり店主は隔週土曜日の出勤は確定です。まあ単身赴任でさすがに東京から仙台まで頻繁には帰れなかったので、好都合ではありました。

 

プロ派遣さんとの二人三脚や効率最優先の業務フローと面接でなんとか担当者の退職による工数不足を当面乗り切るメドを立てたのでした。

 

つづく…