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人事屋修行記(第74話)

ファイリング

宮城の工場の小部屋でスタートした人事係ですが、さすがに狭すぎるだろうということで、レイアウト変更のタイミングで広い部屋に引越しすることになりました。ちょうど工場の受付などがある事務等1階の奥にある会議室です。

 

今度は、机が8本余裕で入って、キャビネも両側に背の高いのと低いのと5本ずつ入りました。当時の人事係は、教育と給与を除く人事関連の実務すべてを担当していましたので、書類の量も相当で、このキャビネの他に、全従業員4千5百人分の人事台帳も別にキャビネ6本分管理していました。

 

部屋の背の高い方のキャビネ5本は、今回のレイアウトで新たに購入したもので、6段の棚でした。ボクは、以前からトライしてみたかったファイルの5S形跡管理を早速やることにしました。

 

まず、合併前の旧各社で使っていたファイルをキングジムの6センチファイルに統一し、あわせて背表紙ラベルの■マークの色を場所ごとに決めました。当然30ある棚全部を色だけで区別できませんので、■マークの上から半分の三角形などをかぶせるように張って、色と形で識別できるようにしました。

 

 

最後の仕上げは、背表紙ラベルの下半分に重ねて入れるVライン背表紙を入れて完成です。これは、10枚一組になっているもので、1枚ずつラインが斜めに少しずつずれて入っていて、それをファイル1冊ずつ背表紙に入れ、ファイルを並べると10冊のファイルの背表紙下半分にきれいにVラインができあがるというものです。

 

これをすることによって、いちいちファイルの場所を確認しなくても、色とラインだけで、どこにファイルを戻せばいいのかが、見た目でわかりますし、逆にしまい忘れているファイルも一目瞭然です。

 

新入社員のときに、保全の事務所で見かけて、そのうち是非、自分の職場でもやって見ようと、ひそかに考えていましたが、係長になり、自分の担当する部門のキャビネが、部屋の中にきれいに一列に並んでいる環境ができたので、実現することができました。

 

ただ、これは維持するのには最初にしっかりと長期的視点に立った書類の保管、改廃のフローを仕組み化しておくことが必要でした。そうしないと、書類はすぐに増えていきますので、ファイルの置き場が指定されている分、急にこの場所に1冊追加したいというと、玉突きで全部のファイルの背表紙を入れ替える必要も出てきます。

 

ですので、ファイル全体の将来の改廃まで予測した仕組み化が必要だということを、改めて実感することができました。この管理方法は、3年後に人事が本社に移転するまで派遣社員の方と一緒にメンテをし管理していきました。

 

つづく…