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人事屋修行記(第98話)

評価制度改定

2005年9月の組合定期大会において、2年以上かけて労使で議論をしてきた組合員人事制度は採決保留ということになり、予定していた2006年からの切り替えができなくなってしまいました。

 

一方で2001年の従業員意識調査において浮き彫りとなってきた、合併での人事制度整合による課題は、制度改定による解決ができないこととなり、何らかの対応が必要となってきました。

 

新人事制度案においてもっとも議論となったポイントは、中堅以上の等級である「能力発揮ステージ」において、評価に応じて翌年度の基準内給料がアップダウンするのにあたって、しっかりとした評価ができるのか、といったものでした。

 

当時の評価制度は、目標管理制度を取り入れておらず、評価者が項目をシートに沿って評価していく方式で、自己評価はもちろん、結果フィードバックの仕組みもなく、どんな項目をどのように評価されているのかがまったくわからない仕組みで、ここが被評価者からの信頼度を低くしていました。

 

 

そこで、会社としては多少でも従業員が人事制度に抱いている課題感を緩和すべく、制度全体の中で、処遇とは直接結びつかない評価制度について、労使の協議事項ではないという整理をして、その部分のみ先行導入することにしました。

 

とはいうものの、評価結果は処遇に反映されますので、制度改定にはしっかりと準備をして、ていねいな説明を行い、評価者はもちろん被評価者も制度をきちん理解することが、評価自体への納得性を高めていくこととなります。

 

人事評価シートなどの新しいツールを作成することはもちろん、被評価者も含めた全員に制度全体の考え方と仕組みを説明するハンドブックを配布して、説明会を実施しました。

 

評価を行う役職者に向けては、説明会だけでなく、評価者訓練として、制度の考え方や具体的な進め方、そして新しい制度のキモとなる「2wayコミュニケーションシステム」(いまでいう1on1)の質を高めていくよう、コーチングスキルのトレーニングも組み入れました。

 

今ではあたり前となっている1on1はこのような手順を踏まえて導入され、繰り返し定着をフォローしていくことによって会社に徐々に根付いてきたのでした。

 

つづく…